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「HubSpotとSalesforce、どちらを選べばいいのか?」HubSpotとSalesforceを徹底比較
「HubSpotとSalesforce、どちらを選べばいいのか?」——CRM/SFAの導入を検討し始めた企業が、ほぼ例外なく突き当たる問いです。比較表は検索すればいくつも見つかりますが、機能の○×だけでは自社にとっての正解は見えてきません。
本ブログでは、ライセンス費だけでなくTCO(総保有コスト)、運用体制、将来の拡張性まで含めた6つの軸で両製品を徹底比較します。さらに、自社の状況に当てはめて判断できる**「選定チェックリスト10項目」**も用意しました。両方の認定パートナーとして公平な立場から、「併用」という第三の選択肢にも触れつつ、後悔しないCRM選定をサポートします。
CRM選定で「HubSpotかSalesforceか」が最大の論点になる理由
CRM/SFA市場において、HubSpotとSalesforceは圧倒的な存在感を持つ2大プラットフォームです。Salesforceはエンタープライズ向けCRMの代名詞として長年トップシェアを維持しています。一方のHubSpotは、インバウンドマーケティングを起点に急成長を遂げ、中小〜中堅企業を中心に導入数を大きく伸ばしてきました。CRM導入を検討する企業が最初に比較対象として挙げるのがこの2製品であることは、もはや業界の常識と言えるでしょう。
しかし、「比較表を見ても結局どちらが自社に合うか分からなかった」という声は後を絶ちません。その大きな原因が、ライセンス費だけで判断してしまうことにあります。実際にはライセンス費以外にも、実装費用、管理者の人件費、サポート費用など多くのコストが発生します。月額料金の安さだけで選んでしまうと、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔するリスクが高まります。
では、何を基準に選べばよいのか。答えは、自社の体制・導入目的・将来像から逆算することです。本記事ではまず両製品の基本思想の違いを押さえたうえで、6つの比較軸で具体的に整理し、企業パターン別のおすすめ、10項目の選定チェックリスト、そして併用という選択肢まで、順を追って解説していきます。
まず押さえたい「基本思想の違い」
具体的な比較に入る前に、両製品の設計思想の違いを理解しておきましょう。価格体系、学習コスト、拡張性、サポート——あらゆる側面の違いは、この思想の違いから派生しています。
HubSpotの基本思想は「オールインワン・誰でも使える」 です。CRM、MA(マーケティングオートメーション)、CMS、カスタマーサービスを一つのプラットフォームに統合し、専任の管理者がいなくても運用できる設計を目指しています。直感的なUI、すぐに使い始められるセットアップ、無料プランの提供。これらはすべて「ツールに振り回されるのではなく、誰もがすぐに価値を得られる」という設計哲学の表れです。
Salesforceの基本思想は「あらゆる業務要件に応えるプラットフォーム」 です。独自のプログラミング言語Apex、UIフレームワークのLWC(Lightning Web Components)による深いカスタマイズが可能で、AgentExchange(旧AppExchange)には10,000を超えるアプリが公開されています。どれほど複雑な業務プロセスであっても、カスタマイズと拡張で対応できる懐の深さ——それがSalesforce最大の強みです。
ここで強調しておきたいのは、「どちらが優れているか」という問い自体がナンセンスだということ。正しい問いは「自社のフェーズと体制に合うのはどちらか」です。これを念頭に、次の章から具体的な比較に入っていきましょう。
6つの軸で徹底比較
1. 価格体系——ライセンス費とTCOは別物
CRM選定で最初に目が行くのは月額料金でしょう。しかし、ライセンス費とTCO(総保有コスト)には大きな隔たりがあります。
エントリー帯では、HubSpotのSales Hub Starterが月額$20/席、SalesforceのStarter Suiteが月額$25/ユーザーです。上位プランになると差は広がり、Sales Hub Enterpriseが月額$150/席に対して、SalesforceのUnlimitedは月額$330/ユーザーとなります。また、HubSpotには無料CRM(2ユーザー、1,000コンタクトまで)がありますが、Salesforceに無料プランはありません。
しかし、真に注目すべきはTCOです。代表的な条件として、HubSpot Professional同士・Salesforce Enterprise同士で50ユーザー・3年間・管理者1名分の人件費を含めて試算した場合、HubSpotで約$177,000〜$230,000、Salesforceで約$595,000〜$690,000と、およそ2〜3倍の差が生じます。
この差の正体は何でしょうか。TCOの内訳を見ると、ライセンス費は全体の約40%に過ぎず、残り60%は実装費、管理者の人件費、外部連携開発、アドオン、サポート費用で構成されています。Salesforceは専任管理者の人件費やカスタマイズ開発費が積み上がりやすく、TCOの差が大きくなる傾向にあります。
ただし、この差は前提条件によって縮小・逆転する場合もあります。既にSalesforce管理者が社内にいる、基幹連携がSalesforce前提で整っている、HubSpot側で上位プランや追加Hubが必要になる——こうした条件ではTCOの差が縮まることがあるため、自社の要件で再試算することを推奨します。
なお、Salesforceは2025年8月にEnterprise/Unlimitedプランで約9%の値上げを実施しています。今後の価格動向にも注意が必要です。
「ではHubSpotが安いから良いのか?」と思われるかもしれません。しかし、コストだけで判断するのは危険です。次の「使いやすさ」の軸から、コスト以外の比較要素を見ていきましょう。
2. 使いやすさ・学習コスト——誰が使い、誰が管理するか
ツールは使われなければ意味がありません。「使いやすさ」と「学習コスト」は、CRM定着率を左右する極めて重要な比較軸です。
ソフトウェアレビュープラットフォームG2の評価(プランや契約内容により異なる場合があります)を確認します。Ease of Use(使いやすさ)はHubSpotが8.7、Salesforceが8.0。Ease of Setup(セットアップの容易さ)はHubSpotが8.4、Salesforceが7.2。いずれもHubSpotが上回っています。
導入期間にも大きな差があります。HubSpotは数日〜数週間で運用開始できるケースが多いのに対し、Salesforceは要件定義からカスタマイズ、データ移行、ユーザートレーニングまで含めると3〜6か月が一般的です。
運用体制の違いも見逃せません。HubSpotは営業マネージャーやマーケティング担当者が兼務で管理できる設計です。一方、Salesforceは高度な設定や継続的な改善を行う場合、専任の認定管理者(Salesforce Administrator)またはそれに近い管理体制が必要になりやすい傾向があります。この管理者の人件費がTCOに大きく影響することは、前章で触れたとおりです。ただし、標準的な運用範囲であれば外部支援や兼務で対応できるケースもあります。
学習リソースについては、Salesforceの「Trailhead」が約9,000モジュールを提供しているのに対し、HubSpotの「HubSpot Academy」は70〜90コース程度です。数だけを見ればSalesforceが圧倒的ですが、これは裏を返せば**「それだけ学ぶべきことが多い」**ことの表れでもあります。
なお、公平を期して補足すると、SalesforceもLightning Experienceの導入以降、UIのモダン化が着実に進んでいます。以前と比べて直感的に操作できる場面は確実に増えています。
CRMの管理についてもっと具体的なイメージを知りたい方は、Salesforceの顧客管理ソフト(CRM)の特徴もあわせてご覧ください。
3. カスタマイズ性・拡張性——どこまで作り込む必要があるか
「自社の業務に合わせてどこまでカスタマイズできるか」は、特に複雑な業務プロセスを持つ企業にとって決定的な比較軸です。
カスタムオブジェクト(独自のデータテーブル)の上限を比較すると、HubSpot Enterpriseが最大10個、Salesforce Enterpriseが200個です。顧客・商談・契約といった標準的なデータ構造で十分な企業であれば10個でも問題ありませんが、独自の業務データモデルを構築したい場合にはSalesforceの圧倒的な自由度が活きてきます。
開発面の違いも顕著です。SalesforceはApex(独自言語)、SOQL(クエリ言語)、LWC(UIコンポーネントフレームワーク)を用いたフルスクラッチに近い開発が可能です。一方、HubSpotはOperations Hubのカスタムコード機能でJavaScriptやPythonを実行できますが、実行時間やメモリに制限があります。
アプリマーケットプレイスでは、HubSpotが1,500以上のアプリを提供しているのに対し、SalesforceのAgentExchange(旧AppExchange)には10,000以上のアプリに加え、1,000以上のAIエージェントが公開されています。
API呼び出し上限も確認しておきましょう(プランや契約内容により異なります)。HubSpot Enterpriseは1日あたり100万回。Salesforce Enterpriseは基本10万回+ライセンス数に応じた加算という計算式で、50ユーザーなら15万回/日程度です。大量のAPI連携が必要な場合、この差が効いてきます。
この軸での判断基準はシンプルです。「標準機能でまかなえるか、独自開発が必要か」——これが分岐点になります。
4. MA(マーケティングオートメーション)機能
CRMとMAを一体で運用したいというニーズは年々高まっています。この領域での両者の違いを見ていきましょう。
HubSpot Marketing Hubはオールインワン設計の真骨頂とも言える製品です。CRMと一体化しているため、フォーム作成、メール配信、チャットボット、リードスコアリングなどが一つのプラットフォーム上でシームレスに利用できます。無料版でもフォーム・メール・チャットボットの基本機能が使えるため、「まずは小さく始めたい」というニーズにも応えられます。Marketing Hub Professionalは月額$890です。
Salesforce Account Engagement(旧Pardot) はB2Bマーケティングに特化した製品です。Salesforce CRMとの深い統合が最大の強みで、営業とマーケティング間のデータ連携は非常にスムーズです。ただし、CRMは別契約となります。Account Engagement Growth(月額$1,250)に加えてSales Cloudのライセンス費も必要となり、TCOの差はさらに広がります。
AIを活用したリードスコアリングについても触れておきます。SalesforceのEinsteinは精度を担保するために一定以上のリードデータ量とコンバージョン実績を前提条件として設けています(プランや運用状況により条件は異なります)。データ量が少ない段階ではその効果を十分に発揮できない点には注意が必要です。
MA導入のタイミングについて詳しく知りたい方は、MAに向いてるビジネスとMAを導入するタイミングについても参考になります。
端的にまとめると、**「MA単体で始めるならHubSpot、Salesforce CRMとの深い連携が前提ならAccount Engagement」**という整理になります。
5. レポート・分析機能
経営判断に直結するレポート・分析機能。CRM選定で見落とされがちですが、運用が進むほど重要性が増す比較軸です。
Salesforceは豊富な標準レポートテンプレートを提供し、4つのレポートタイプ(表形式、サマリー、マトリックス、結合)を使い分けることができます。クロスオブジェクトでのレポーティング自由度が高く、複数のデータソースを組み合わせた複雑な分析にも対応可能です。
HubSpotは複数のレポートタイプを提供していますが、クロスオブジェクトレポートは事前定義されたパス(関連付け)に沿ったものに限られます。レポート作成数にもプランに応じた上限があります。標準的なファネル分析やダッシュボードの作成には十分ですが、複雑な分析ニーズがある場合は制約を感じることがあるでしょう。
AI分析の領域では、SalesforceのEinstein Discoveryが追加費用で利用可能。HubSpotのBreeze AIはクレジット制を採用しています。いずれもAIによるインサイト抽出や予測分析を提供していますが、価格体系が異なるため、自社の利用頻度に応じた比較が必要です。
Salesforceのレポートやダッシュボード機能についてさらに詳しく知りたい方は、Salesforceのダッシュボードとは?種類や作り方を紹介やSalesforceのレポート作成方法もあわせてご覧ください。
まとめると、**「複雑な分析要件があるならSalesforce、標準的なファネル分析が中心ならHubSpotで十分」**という判断になります。
6. サポート体制・エコシステム
導入後に困ったとき、どこまでサポートが受けられるか。運用の安心感に直結するこの軸も見落とせません。
HubSpotは有料プラン(Starter以上)にサポートが含まれており、追加費用なくメールやチャットでのサポートを利用できます。Professional以上では電話サポートも対象です。「サポート費用が別途かかるのか?」と心配する必要がないシンプルな料金体系です。
SalesforceのStandard(無料)サポートは、ナレッジベースやコミュニティを中心としたセルフサービスです。24時間365日対応のPremierサポートを受けるには、ライセンス費の30%が追加で必要となります。大規模な契約であれば、サポートだけで相当なコストが上乗せされる計算です。
一方、エコシステムの厚みではSalesforceが圧倒的です。世界中に広がる開発者コミュニティ、数千社のISVパートナー、膨大な技術ドキュメント。複雑な要件に対応するための「引き出しの多さ」はSalesforceならではと言えます。HubSpotも認定パートナー制度やSolutions Partnerプログラムを展開していますが、規模感ではSalesforceに一日の長があります。
ここまで6つの軸で比較してきました。「自社にはどちらが合いそうか」、少しずつ見えてきたのではないでしょうか。次の章では、さらに具体的な企業パターン別の整理に進みます。
こんな企業にはHubSpot/こんな企業にはSalesforce
6つの比較軸を踏まえて、どんな企業にどちらが向いているかを整理します。
HubSpotが向いている企業
- CRMを初めて導入する、またはExcelや個人管理から移行したい企業。 直感的なUIと短い導入期間が、初めてのCRM定着を後押しします。
- 専任のCRM管理者を配置できない企業。 営業マネージャーやマーケ担当が兼務で運用できるため、少人数体制でも回ります。
- MAとCRMを一体で使いたい企業。 別製品を連携させる手間なく、一つのプラットフォームで完結します。
- 低コストでスタートし、段階的にスケールしたい企業。 無料CRMから始めて、成長に応じてプランを上げていく戦略が取れます。
- 短期間で現場に定着させたい企業。 数日〜数週間で運用を開始できる手軽さは、「導入したのに誰も使わない」というリスクを大きく下げます。
Salesforceが向いている企業
- 複雑な商流や承認フローを持つ企業。 見積→承認→契約→請求など、多段階のプロセスをシステム上で厳密に管理したい場合に真価を発揮します。
- 社内に開発者や認定管理者がいる(または外部パートナーに委託できる)企業。 Apex/LWCによる深いカスタマイズを活かすには、技術リソースが不可欠です。
- 多数の外部システムとの連携が必要な企業。 ERP、基幹システム、独自開発ツールなど、多くのシステムとデータを行き来させる要件にはSalesforceの拡張性が適しています。
- 数百名以上の大規模利用を想定している企業。 権限管理、テリトリー管理、大量データ処理など、エンタープライズスケールの運用に対応可能です。
- 高度なレポート・分析要件を持つ企業。 クロスオブジェクトの自由なレポーティングや、AIによる予測分析が求められる場合はSalesforceが適任です。
「うちはどちらにも当てはまるような...」と迷われた方も多いのではないでしょうか。次の章のチェックリストで、より具体的に判断してみてください。
自社に最適なCRMが分かる「選定チェックリスト」10項目
以下の10項目それぞれについて、自社の状況に近いほうにチェックを入れてください。HubSpot寄りの回答とSalesforce寄りの回答を用意しています。
1. 年間CRM予算(1ユーザーあたり月額)
- □ HubSpot寄り:月額$50以下に抑えたい
- □ SF寄り:月額$150以上の投資が可能
2. CRM管理体制
- □ HubSpot寄り:専任管理者は置けない(他業務との兼務)
- □ SF寄り:専任の管理者を配置できる(または外部委託可能)
3. 導入スピード
- □ HubSpot寄り:1か月以内に運用を開始したい
- □ SF寄り:3〜6か月かけてしっかり設計・構築してよい
4. カスタムオブジェクトの必要数(目安)
- □ HubSpot寄り:10個以下で十分
- □ SF寄り:10個を超える独自データ構造が必要
5. 業務プロセスの複雑さ
- □ HubSpot寄り:リード→商談→受注の標準的なフロー
- □ SF寄り:複数の承認ステップ、条件分岐、例外処理がある
6. MAとの統合
- □ HubSpot寄り:CRMとMAを一つのプラットフォームで完結させたい
- □ SF寄り:Salesforce CRMとの深い連携を前提としたMAが必要
7. 外部システム連携数(目安)
- □ HubSpot寄り:連携先は5システム以下
- □ SF寄り:多数のシステムとデータ連携が必要
8. レポート・分析要件
- □ HubSpot寄り:ファネル分析やKPIダッシュボードが中心
- □ SF寄り:クロスオブジェクトの複雑な分析や予測分析が必要
9. 利用ユーザー数(目安)
- □ HubSpot寄り:50名以下
- □ SF寄り:数百名以上
10. 将来の拡張計画
- □ HubSpot寄り:当面は現状の業務プロセスを維持
- □ SF寄り:今後、大幅な業務変革やシステム統合を計画している
結果の読み方
すべての項目が同じ重みではありません。特に項目1(予算)と項目5(業務プロセスの複雑さ)は最終判断への影響が大きいため、重点的に検討してください。そのうえで、全体の傾向を目安にしてください。
- HubSpot寄りが7個以上 → HubSpotを軸に検討を進めることをおすすめします。標準機能で業務が回る可能性が高く、低コスト・短期間での導入が期待できます。
- SF寄りが7個以上 → Salesforceを軸に検討を進めましょう。カスタマイズ性と拡張性への投資が、中長期的に大きなリターンを生むはずです。
- 拮抗(4〜6対4〜6) → 一方に絞りきれない状態です。次の章で紹介する「併用」も選択肢に入れて検討してみてください。
第三の選択肢——HubSpotとSalesforceを「併用」するケース
「HubSpotかSalesforceか」——実は、この二択に収まらないケースがあります。両方を併用するという第三の選択肢も、十分に現実的です。
最も一般的な併用パターンは、HubSpot Marketing Hub(MA)+ Salesforce CRM/SFA という組み合わせです。マーケティング施策の実行と成果管理はHubSpotで、営業活動の管理と商談パイプラインはSalesforceで、という役割分担です。
この併用を技術的に支えるのが、HubSpotが提供する公式ネイティブコネクタです。HubSpot Professional以上のプランで追加費用なく利用可能。リード、コンタクト、アカウント、商談などのデータを定期的に双方向同期でき、一定数のカスタムオブジェクトにも対応しています。
併用が向いているのは、以下のような企業です。
- 既存のSalesforce CRMを維持しつつ、MA領域でHubSpotを新たに活用したい企業。 SalesforceのAccount Engagementよりも低コストかつ短期間でMA機能を立ち上げられます。
- 段階的な移行を計画している企業。 将来的にどちらか一方に統合する予定だが、移行期間中は両方を並行運用したいというケースです。
ただし、併用には注意すべき点もあります。第一に、フィールドマッピングの設計(どの項目をどう対応させるか)を事前にしっかり詰めておく必要があること。第二に、データの重複管理ルール(どちらをマスターデータとするか)を明確にしないと、データの不整合が発生すること。第三に、同期タイミングにラグがあるため、リアルタイム性が求められる業務プロセスには向かないこと。加えて、どちらの画面を正とするか、同期エラー時に誰が確認・対応するかまで含めた運用ルールの設計が不可欠です。
併用は万能ではありません。しかし、「白か黒か」では解決しない企業にとって、現実的かつ有効な選択肢です。
まとめ——選定で後悔しないために
本記事で解説してきたポイントを、3つに集約します。
第一に、ライセンス費だけを見て判断しないこと。 ライセンス費だけで判断すると、TCOで見たときの実際の差を見誤ります。実装費、管理者の人件費、アドオン、サポート費用まで含めたTCOで比較することが重要です。
第二に、「誰が管理し、誰が使うのか」から逆算すること。 専任管理者を置けるか、現場のITリテラシーはどの程度か、導入後の定着施策にどれだけ時間を割けるか。こうした「人」の要素こそが、ツール選定の成否を分けます。加えて、既存データの移行や権限管理、現場が日常的に入力・確認できる運用に落とせるかも合わせて確認してください。
第三に、併用という選択肢も視野に入れること。 「どちらか一方」にこだわる必要はありません。自社の現状と将来像に合わせて、柔軟に組み合わせることも有効です。
最終的な判断を下す前に、ぜひ両製品のデモ環境や無料プランに触れてみてください。画面を実際に操作することで、比較表やレビューだけでは分からない「手触り」の違いが見えてきます。HubSpotの無料CRMは登録後すぐに使い始められますし、Salesforceも30日間の無料トライアルを提供しています。
なお、私たちハレフルはHubSpotとSalesforceの両方の認定パートナーです。どちらか一方に偏ることなく、お客様の状況に合わせた最適な選択をご支援しています。「自社にはどちらが合うのか」「併用パターンの設計を相談したい」といったお悩みがあれば、お気軽にご相談ください。
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