Blog
【HubSpot】HubSpotのABテスト|機能別の可否・プラン条件と設定手順
HubSpotのABテストは、マーケティングメール・ランディングページ・CTAなど対象機能ごとに可否・プラン条件・仕様が異なります。まずは一覧表で自社のプランと対象機能を確認したうえで、メール・LP・CTAの設定手順、そして母数が小さい中堅企業のリストでも成果につなげる現実的な検証設計まで解説します。
機能別・ABテスト可否とプラン条件一覧
HubSpotでABテストの対象となる機能と、必要なプランを整理すると次のとおりです。
機能 | ABテスト可否 | 必要プランの目安 |
|---|---|---|
マーケティングメール | 可 | Marketing Hub Professional/Enterprise(Starterでは不可) |
ワークフロー内の自動化メール | 可(通常メールとは仕様が異なる) | Marketing Hub Professional/Enterprise |
ランディングページ | 可 | Content Hub Professional/Enterprise |
ウェブサイトページ | 可 | Content Hub Professional/Enterprise |
CTA(現行) | 可(ベータ機能のため、事前のオプトインが必要) | 提供状況はポータルにより異なるため、管理画面での確認が必要です |
CTA(レガシー) | 可(最大30バリエーション) | Marketing Hub/Content Hub のPro・Ent。2025年3月17日以降作成のアカウントでは利用できません |
シーケンス(メールステップ) | 可 | Sales Hub Professional/Enterprise |
まず押さえたいのは、Starterプランでは多くのABテスト機能が使えない点です。メール・ページ・シーケンスのABテストはいずれもProfessional以上が前提です。
現行CTAのABテストは、プラン要件としてはMarketing HubまたはContent HubのProfessional・Enterpriseが前提とります。
ただし、これはあくまでベータ機能として提供されているもので、「A/B Testing for CTAs」ベータへのオプトインを済ませていないアカウントでは、プラン条件を満たしていても機能そのものが現れません。該当プランを契約していてもメニューに見当たらない場合は、まずベータ参加状況を疑ってください。
マーケティングメールのABテスト設定手順
マーケティングメールのABテストは、次の手順で設定します。
- メールエディタ右上の「A/Bテスト」から開始する
- バリエーションBを作成し、AとBの2タブで編集する(テストできる要素は件名・送信者・本文コピー・画像)
- 配信方式を選ぶ(50/50のフルスプリット、または部分配信)
- 勝者判定の指標を選ぶ(開封率・クリック率・クリックスルー率の3つから1つ)
- テスト時間を時間数で指定する(上限はおおむね100時間程度)
- 判定が拮抗した場合に送信するフォールバックバージョンを選んでおく
- 内容を確認して配信する

配信比率の2モードには重要な違いがあります。50/50のフルスプリットはリスト全体を半分ずつ配信するため対象件数に下限がありません。部分配信は一部にA/Bを配信して勝者を判定し、残りに勝者版を自動配信する方式で、ハードバウンスや配信停止分を除いて最低1,000件が必要です。満たない場合はA版のみが配信されます。
ワークフロー内の自動化メールは仕組みが違う
ワークフロー内の自動化メールは通常のマーケティングメールと仕様が異なります。分割比率は50/50固定で、コンタクトの流入とともに徐々に反映されます。もうひとつの違いは、勝者は自動判定・自動適用されず、手動で選択する点です。選択後は敗者側のバリエーションがアーカイブされます。
ワークフローでの自動返信メールについて、「HubSpotシーケンスとワークフローの違い」もあわせてご覧ください。
ランディングページ・ウェブサイトページ・CTAのABテスト
ランディングページとウェブサイトページのABテストは、エディタのテストアイコンから「A/Bテスト」を選ぶか、ファイル > 新規 > A/B テストを実行から作成します。同一URLでバリエーションを出し分ける仕組みで、トラフィック配分は50/50固定です。勝者選定は手動で行い、選ばれなかったバリエーションは下書きに戻ります。Content Hub Professional以上が必要です。

なお、ページのABテストで得た知見はコンテンツ改善やSEO施策にもつながります。「HubSpotのSEOツール活用ガイド」もあわせて参考にしてください。
現行CTAのABテストは、2026年8月時点でベータ機能として提供されています。「必要な場合がある」ではなく、利用するにはアカウント設定からのベータ参加が必須です。参加していないアカウントでは、以下で説明する「テストを実行」の項目自体がメニューに表示されません。
参加手続きは、製品最新情報ページのベータ機能一覧から「CTAのA/Bテスト」をオンにする形です。手続きにはスーパー管理者権限が必要になるため、権限を持たない担当者の場合は社内の管理者に依頼することになります。

ベータ参加を済ませたら、マーケティング> CTA一覧で対象CTAにカーソルを合わせ、アクション内の「テストを実行」から開始します。

ABテストと適応型(アダプティブ)テスト、何が違うのか
適応型テストはフォームを含むページ(ランディングページやウェブサイトページ)限定の機能で、メールやCTAでは選択肢になりません。まずこの前提を押さえたうえで使い分けを考える必要があります。
適応型テストは多腕バンディットという考え方をベースにした仕組みで、配信開始後もAIが成績を見ながら配分を自動的に調整し続けるのが特徴です。手動で勝者を確定する必要がなく、配分調整と勝者適用を自動化できる機能といえます。すべてのバリエーションにフォームが設置されている必要があり、利用にはContent Hub Professional/Enterpriseが必要で、同時に作成できるバリエーションは最大5つです。
従来のABテストが「50/50固定で配信し、テスト終了後に手動で勝者を確定する」方式であるのに対し、適応型テストは「配信中から自動で配分を調整し、成績の悪いバリエーションへの露出を徐々に減らしていく」方式である点が本質的な違いです。HubSpotに独立した「多変量テスト」という機能があるわけではなく、適応型テストはこの多腕バンディットベースの独立した仕組みとして理解しておくのが正確です。
機能の仕様から言えるのは、適応型テストは同時に最大5つのバリエーションを扱え、配分の調整と最適化が自動で続く一方、従来のABテストは50/50の固定配分で、勝者を手動で確定させる点です。バリエーションを多く並べたい場合は前者、2案を同じ条件で並べて比較したい場合は後者、という選び方になります。
検証設計の基本、変数はひとつ・指標は先に決める
ABテストで成果を出す基本は、1回のテストで変える変数を1つに絞ることです。件名とCTAボタンの色を同時に変えると、どちらが効いたのか判断できなくなります。あわせて、何を判断指標にするか(開封率、クリック率、コンバージョンなど)をテスト開始前に決めておくことも欠かせません。
HubSpotのネイティブABテストで実際に比較できる要素は、メールであれば件名・送信者・本文コピー・画像、ページであればページ全体のバリエーションです。一方、送信タイミングやフォームの項目数、ファーストビューの見出しといったテーマは、ネイティブなABテスト機能の比較項目ではなく、バリエーションの作り方やリストの出し分けを工夫して検証するテーマとして扱う必要があります。まずは身近な要素から着手し、検証の型を社内に定着させていくとよいでしょう。
結果の読み方と落とし穴
よくある落とし穴が、開封率だけで勝者を決めてしまうことです。Apple Mail Privacy Protection(MPP)の影響で、開封率は実態よりも高く見えるケースがあります。HubSpotには「adjusted open rate(調整済み開封率)」という指標があり、信頼できる開封数を、配信数から信頼できない開封数を除いた母数で割ることで、より実態に近い開封率を算出できます。判断の際はこの調整済み指標も参考にするとよいでしょう。
ほかにも、テスト期間中の季節要因やキャンペーンの重複といった外部要因、あるテストで勝った施策が別の場面でも再現するとは限らない点には注意が必要です。テストの早期終了を避けることや複数の変数を同時に変えないことは、業界で広く知られている運用上の心がけとして参考にしてください。
テスト結果を資産にする、運用に定着させる方法
1回のABテストで終わらせず、結果を組織の資産にしていく仕組みも重要です。どの変数を、どんな指標で、どう変えて、結果がどうだったか、何に気づいたかを記録し、社内で共有できる状態にしておきましょう。そのうえで次のテストの企画につなげるサイクルを回すことが、成果につながる進め方です。関連トピックとして、蓄積したテスト結果をどう見ていくかは「HubSpotリードスコアリング設計と設定方法」もご参照ください。
改めて整理すると、まずは冒頭の一覧表で自社のプランと対象機能を確認し、母数に応じた現実的な検証から始めることが第一歩です。小さな一歩からで構いませんので、まずは仮説の異なる案を比較する1つのテストから着手してみてください。
自社だけでのABテスト設計や運用の定着に難しさを感じる場合は、HubSpotの運用設計を少数精鋭で伴走し、自走化までを見据えたご支援も行っています。気になる方はお気軽にご相談ください。
Contact
まずは何でもお気軽にご相談ください。

