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【HubSpot】CRMの権限はどこまで細かくできる?スーパー管理者・チーム・プロパティ制限とプラン別の違い
営業には自分の取引だけを見せたい。金額はマネージャーだけに見せたい。退職した人の顧客を引き継ぎたい。HubSpotの権限は、レコードの持ち主・チーム・プロパティの3つの単位で絞れます。担当者ごとの出し分けはどのプランでもできますが、階層チームやプロパティ単位の制限、権限セットはEnterpriseが必要です。
HubSpotの権限とは?シート・権限・アセットの3層で考える
HubSpotの権限とは、ユーザーが使えるツールの中で「何を見て、何を作り、何を編集・削除できるか」を決める設定です。使えるツール自体は、ユーザーに割り当てる「シート」で決まります。シートで使える機能の範囲を決め、権限でその中の操作とデータの範囲を絞り、最後に個々のレポートやワークフローなどの「アセット」ごとにアクセスできる人を決める、という3層の構造です。
スーパー管理者でできること・できないこと
スーパー管理者は、アカウントのツールと設定のすべてにアクセスできるユーザーです。他のユーザーにスーパー管理者を付けられるのはスーパー管理者だけで、アクセスを制限したアセットも見られます。CRMのコミュニケーション一覧ページを開けるのもスーパー管理者だけです。
スーパー管理者でも、有料のSales Hub・Service Hubの機能を使うには、それぞれのシートが必要です。有料のサブスクリプションでは、コア、Sales、Serviceのいずれかのシートを割り当てます。ユーザーの無効化や削除もスーパー管理者だけができる操作なので、最低2人は置いておくと、1人が不在でも退職者の対応が止まりません。
シートの種類と権限の関係
シート | 対象のプラン | 料金 | できること |
|---|---|---|---|
表示のみ | Starter以上 | 無料・人数無制限 | レコード、ダッシュボード、レポートの閲覧と、閲覧できるレコードへのメモの記録 |
コア | Starter以上 | 有料 | 基本機能。StarterではSales Hub・Service Hubの機能も使える |
Sales/Service | 各HubのProfessional以上 | 有料 | そのHubのプランに含まれる機能 |
Revenue | Revenue HubのProfessional以上 | 有料 | 見積もりなどRevenue Hubの機能 |
パートナー | HubSpotの認定パートナーの社員のみ | 無料 | 顧客アカウントの機能へのアクセス |
表示のみシートのユーザーは、レコードの編集、レポートの保存、設定の変更ができず、スーパー管理者にもなれません。メールのログ記録もできないので、営業活動をする人には向きません。
HubSpotの権限でできること・できないこと
CRMの権限で標準機能では対応できないのは、「この1件だけ見せない」というレコード単位の非公開と、Enterprise未満でのプロパティ単位の制限です。
やりたいこと | 標準機能で | 必要なプラン・補足 |
|---|---|---|
レコードの閲覧・編集・削除を「全て/チーム/自分」で絞る | ○ | 全プラン。オブジェクトごとに設定 |
一括削除・インポート・エクスポートを禁止する | ○ | 全プラン。それぞれ個別にオフにできる |
ユーザーを複数のチームに入れる | ○ | Marketing/Sales/Service HubのProfessional以上 |
上下関係のあるチーム(階層チーム)を作る | ○ | Enterprise |
権限セットで役職ごとの権限をまとめて管理する | ○ | Enterprise。最大100個 |
プロパティごとに閲覧・編集を制限する | ○ | Enterprise |
特定のレコードを担当外のユーザーに共有する | ○ | Marketing/Sales/Service/Data/Content HubのEnterprise |
大量エクスポートに承認を挟む | ○ | Enterprise(ベータ) |
レポート、ワークフロー、セグメントを特定のチームだけに見せる | ○ | Enterprise |
削除したレコードを元に戻す | ○ | 全プラン。削除から90日以内 |
特定のレコードだけを、権限のある人からも隠す | × | 担当者とチームの設定で範囲を決めるしかない |
外部の取引先に取引を見せるポータル | △ | カスタマーポータル(Service Hub Professional以上)はチケットとナレッジベースが中心で、取引を見せる機能は公式の説明に見当たらない |
レコードの閲覧・編集・削除の範囲を決める
レコードの権限は、オブジェクトごとに「どの範囲のレコードを」「どう操作できるか」の組み合わせで決めます。
「全て」「チーム」「自分」の3段階
コンタクト、会社、取引、リード、チケット、タスク、カスタムオブジェクトなどのオブジェクトごとに、表示・編集・削除・マージの範囲を選びます。表示は「全て」「チームの」「自分の」の3つから、編集・削除・マージはこれに「なし」を加えた4つから選びます。
「自分の」の判定には、標準の担当者プロパティーと、HubSpotユーザー型のカスタムプロパティーが使われます。「チームの」か「自分の」を選ぶと「未割り当て」のチェックボックスが出て、担当者のいないレコードを範囲に含めるかを決められます。新規の問い合わせを担当者が付く前に誰が触れるかは、このチェックで決まります。
権限の項目には、間違えやすい組み合わせがあります。
- 「編集」の権限があると、レコードのアクティビティーを削除できる
- メールやコールの記録には、表示とは別に「コミュニケーション」の権限が必要
- 一覧ページからの一括削除には、削除の権限とは別に「一括削除」の権限が必要
- レコードの「作成」の権限は、ワークフローやフォーム送信で作られるレコードには効かない
チームと階層チーム
チームは、ユーザーをグループにまとめる設定です。「チームの取引」の権限を持つユーザーは、同じチームのメンバーが担当する取引にアクセスできます。
1人のユーザーを複数のチームに入れるには、Marketing Hub、Sales Hub、Service HubのいずれかのProfessional以上が必要です。追加のチームのメンバーは、そのチームのレコードは見られますが、チームのレポートやローテーションの対象には入りません。
Enterpriseでは、チームを別のチームの下に置けます。親チームは配下のチームが担当するレコードをすべて見られ、子チームからは親チームやほかの子チームのレコードは見えません。「営業本部の下に東日本営業部と西日本営業部」といった組織図どおりの見え方を作れるのは、この階層チームだけです。
権限セットで役職ごとにまとめる
権限セットは、役職やチームごとの権限の組み合わせを保存しておく機能です。作成と編集にはEnterpriseとスーパー管理者の権限が必要で、最大100個まで作れます。新しく入った営業に「営業担当」のセットを割り当てれば、毎回同じ項目をオンオフせずに済みます。
Enterprise未満でも、既存ユーザーの権限を新しいユーザーにコピーできます。コピーではシートは割り当てられないので、必要なシートを先に割り当ててください。
ユースケース別の設定方法
営業には自分の取引だけを見せたい
取引の表示・編集・削除を「自分の取引」にします。全プランで設定できます。担当者のいない取引も触らせたいなら「未割り当て」にチェックを入れます。取引とつながるコンタクトや会社も、同じように「自分の」にそろえないと、取引は見えないのに顧客情報は全件見える状態になります。
マネージャーには「チームの取引」を付け、メンバーと同じチームに入れます。部長が複数の課を見るような構成は、Professionalなら部長を各課のチームに追加し、Enterpriseなら階層チームで作ります。
代理店や外部パートナーに一部だけ見せたい
外部の人もHubSpotのユーザーとして招待し、代理店ごとにチームを作って、表示の範囲を「チームの」にします。代理店が担当する取引の担当者を代理店のユーザーにしておけば、ほかの代理店や自社の取引は見えません。閲覧だけでよいなら無料の表示のみシートで足ります。パートナー側で取引を更新させるなら有料のシートを割り当て、編集の範囲も「チームの」か「自分の」に絞ります。エクスポートと一括削除の権限はオフにしてください。
Enterpriseなら、担当外のレコードを個別に共有できます。共有されたユーザーは、自分の権限の範囲でそのレコードを扱えます。ワークフローで「共有ユーザー」「共有チーム」のプロパティーを設定すれば、条件に合う取引を自動で代理店に共有できます。
パートナーシートは、HubSpotの認定パートナーの社員にしか付けられません。販売代理店の社員に使うものではありません。HubSpotのアカウントに入れずに取引の状況だけを見せたい場合、そのための機能はカスタマーポータルの公式の説明には見当たりません。外部のポータルツールやAPI連携で作る方法があります。
やりたいこと、実現できるか
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標準機能で足りるのか、設定の工夫で回避できるのか、カスタム開発が必要なのか。どこに当たるかを切り分けます。
相談は無料です。2営業日を目安にお答えします。
退職者の顧客を引き継ぎたい
退職が決まったら、先に担当レコードを引き継ぎ、そのあとでユーザーを無効化します。
- コンタクト、会社、取引、チケットの一覧で「担当者が退職者」のビューを作る
- 一括編集で担当者プロパティーを後任に変える
- ワークフローや保存済みのフィルターに退職者が入っていないかを確認する
- ユーザーを無効化する
無効化したユーザーはログインできなくなりますが、レコードの担当者のまま残り、あとで有効に戻せます。ユーザーを削除すると、担当していたレコードの担当者欄は「Deactivated/Removed(メールアドレス)」の表示になります。削除は元に戻せないので、引き継ぎが終わってから行ってください。無効化と削除ができるのはスーパー管理者だけです。
取引の金額をマネージャーだけに見せたい
Enterpriseなら、取引の「金額」プロパティーを、マネージャーのチームだけ「表示して編集」、ほかは「アクセス権なし」にできます。設定はスーパー管理者が、プロパティーの設定画面の「アクセスを管理」から行います。
見えないユーザーには値の代わりに制限のアイコンが表示され、そのプロパティーで絞り込んだ保存済みビューのレコードも見られません。この金額を使うレポートやダッシュボードは、そのユーザーには表示されないことがあります。
プロパティーの制限は、APIやレコードの手動作成では効きません。HubSpot自身も、プロパティーの制限をセキュリティ対策として使うことは勧めていません。確実に隠したい情報は、オブジェクト単位の権限で守るか、HubSpotに入れないことも考えてください。取引名、パイプライン、取引ステージ、クローズ日などは、閲覧の制限そのものができません。
Enterprise未満では、プロパティー単位の制限はできません。レコードページのレイアウトから金額を外すことはできますが、ビューやエクスポートでは見えるため、制限にはなりません。
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誤削除や大量エクスポートを防ぎたい
全プランでできるのは、「一括削除」「インポート」「エクスポート」の権限を必要な人以外オフにすることです。1件ずつの削除も止めたいなら、削除の範囲を「なし」にします。
Enterpriseでは、エクスポートの承認を使えます。スーパー管理者が「エクスポートの承認を必須にする」をオンにして件数のしきい値を決めると、それを超えるエクスポートと、機密データを含むエクスポートは承認待ちになります。承認するのは「エクスポートを承認」の権限を持つ人で、対象はレコード、セグメント、プロパティー履歴です。この機能は2026年10月時点でベータです。
消してしまったレコードは、削除から90日以内ならごみ箱から戻せます。完全削除と、GDPRによる削除は戻せません。
部署ごとにデータを分けたい
レコードは、部署ごとにチームを作り、表示の範囲を「チームの」にして分けます。上下関係まで表したいなら、Enterpriseの階層チームを使います。
レポート、ワークフロー、セグメント、ダッシュボード、プロパティーのような「アセット」を部署ごとに分けるには、Enterpriseが必要です。ファイルとパイプラインはProfessional以上、Sales Hub・Service Hubのテンプレート、シーケンス、資料、プレイブックはProfessional以上で絞れます。標準の一覧ビューは制限できず、絞れるのはカスタムビューだけです。
ブランドごとに分けたい場合は、Marketing Hub Enterpriseのブランドアドオンがあります。2026年10月時点で、フォーム、マーケティングメール、キャンペーン、レポート、トラッキングコードなどをブランドに紐づけられます。公式のヘルプでは、ブランドでCRMのレコードの閲覧を制限できるとは書かれていません。ブランドで整理しつつ、見える範囲はチームの権限で絞る組み合わせになります。
権限を設定するときの注意点
権限の変更は、反映まで最大5分かかります。変更したら、相手に一度ログアウトしてもらってください。モバイルアプリは完全に閉じてから開き直す必要があることがあります。
複数のユーザーの権限をまとめて変えられるのは、同じシートのユーザー同士だけです。自分が持っていない権限は、ほかのユーザーに付けられません。HubSpotのサポートは、ユーザーの権限を代わりに変更できません。
個々のアセットに設定したアクセス制限は、ユーザーの権限より優先されます。「権限ではオンなのにワークフローが見えない」ときは、そのワークフローのアクセス設定を確認してください。
まとめ
HubSpotのCRM権限は、全プランで「全て/チーム/自分」の範囲と、一括削除・エクスポートの可否まで絞れます。組織図どおりの見え方、金額だけを隠す設定、エクスポートの承認が必要ならEnterpriseです。
設定を始める前に、役職ごとに「どのオブジェクトの、どの範囲を、どこまで操作させるか」を表に書き出してください。その表で、Enterpriseでしかできない行がいくつあるかを数えれば、プランの判断がつきます。
ハレフルへのご相談
株式会社ハレフルは、HubSpot・Salesforceの導入・運用支援を行っています。「営業には自分の取引だけ、マネージャーにはチーム全体を見せたい」「代理店にHubSpotの一部だけを使わせたい」「今のプランで権限の要件を満たせるのか判断したい」といったご相談をお受けしています。
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