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2026/09/07
HubSpot

【HubSpot】サンドボックスは使える?プラン条件とできること・できないこと

【HubSpot】サンドボックスは使える?プラン条件とできること・できないこと

稼働中のHubSpotをいきなり触るのは怖い。検証環境(サンドボックス)はあるのですが、使えるかどうかは契約ティアで決まります。対象Hubのどれか1つがEnterpriseなら使えます。

気をつけたいのは、本番へ戻せるのが新規に作ったものだけという点です。それに2026年4月30日で旧方式が廃止されているので、日本語の解説記事の多くが古い仕様のまま残っています。執筆時点(2026年9月)の公式情報で書きます。

1. Enterpriseが1つでもあれば使えます

対象Hubのいずれか1つがEnterpriseなら、標準サンドボックスが使えます。全部をEnterpriseにする必要はありません。Starter・Professionalでは使えません。

ただ、ティアだけ見て安心すると引っかかります。Operations Hubは対象一覧に入っていませんし、作成にはスーパー管理者権限が必要です。この2つは後述します。

使えるかどうかの判定

Hub

標準サンドボックスの対象ティア

Marketing Hub

Enterprise

Sales Hub

Enterprise

Service Hub

Enterprise

Data Hub

Enterprise

Content Hub

Enterprise

Smart CRM

Enterprise

Revenue Hub

Enterprise

見落としやすい2つの条件

  • Operations Hub は対象Hub一覧に含まれていません。 他の対象Hubの契約を先に確認します。
  • 作成にはスーパー管理者(Super Admin)権限が必須です。 通常の「管理者」では作成もデプロイもできません。

Enterprise 未満でも代替できる検証はあります。プラン条件つきの一覧は「3.」の後半に置きました。

2. 標準機能の範囲:サンドボックスで何ができるのか

オブジェクト設計、プロパティ、ワークフローは検証できます。一方でレポート、連携、公開ページ、イベントデータは対象外です。

そもそも「HubSpotのサンドボックス」は1つではありません

名前の似た環境が複数あり、利用条件も本番との関係も異なります。本記事が扱うのは表の1行目の標準サンドボックスです。

環境

利用条件

本番との関係

主な制約

標準サンドボックス

対象Hubいずれかの Enterprise

作成時に一度きりコピー。Deploy to Production で片方向反映可

既定は1アカウント1つ。スーパー管理者権限が必須

開発サンドボックス

Sales Hub または Service Hub Enterprise

CRMオブジェクト定義(スキーマ)のみコピー

HubSpot CLI のみで作成・管理

開発者テストアカウント

無料

本番と非連動の独立アカウント

全Hub Enterprise機能の90日トライアル付き。1開発者アカウントあたり最大10個。APIコールが90日ないと失効

CMSサンドボックス

無料

本番と非連動の独立アカウント

Content Hub Enterprise 相当の機能のみ。独自ドメイン接続は不可

Content Staging

Content Hub の内蔵機能

本番アカウント内の機能

サンドボックスではなくサイトのリニューアル用

Content Hub のテスト環境を作る手順はサンドボックスを利用してContent Hubのテスト環境を構築する方法をご覧ください。

本番からコピーされるもの・されないもの

コピーは作成時の一度きりです。

区分

主な項目

コピーされる

オブジェクトのスキーマ定義、プロパティ(計算・ロールアップ含む)とグループ、検証ルール、条件付きロジック、関連付けとラベル、パイプラインとステージ、共有ビュー、フォーム、自動配信メール、セグメント(リスト)、ワークフロー、シーケンス、プレイブック、デザインマネージャーのテンプレート・モジュール、チーム階層、ブランド

条件付き・要注意

カスタムコードアクションの secrets は引き継がれない/Webhook の宛先URLは本番向けのまま残るため要更新/未対応アセットに依存するワークフロー・セグメントはコピーされない/チーム階層は移るが所属ユーザーは移らない

コピーされない

レポート・ダッシュボード、Service Hub と Revenue Hub の全アセット、ほとんどのアカウント設定、連携アプリ、Webサイト/LP/ブログのページ本体、レコードのイベントデータ(開封・クリック・活動履歴)、通常配信メール、フィードバックサーベイ、レコード作成フォーム、一般ユーザー、プロパティの表示・編集アクセス設定

ブランド割当は非デフォルトブランドも維持されます(マルチブランド運用で失敗しないための5つの注意点)。

レコードデータは「一部だけ」入ります

項目

上限

作成時のコンタクトのコピー(任意選択)

直近更新順に最大5,000件

上記に紐づく取引・会社・チケット

1コンタクトあたり各最大100件

手動インポート

オブジェクト種別ごとに最大200,000件

ワークフローへのレコード登録

サンドボックス全体で1日あたり100,000件(超過分はドロップ)

イベントデータは入らないため、開封や活動履歴に依存する検証には別途データが必要です。オブジェクトIDと関連付けIDも本番と一致しません。

サンドボックスでできない標準操作

電話発信とリードスコアリングは使えません。メール送信は宛先が制限されます(後述)。

3. 標準では届かない部分:本番反映とメール・連携の限界

本番へ戻せるのは新規に作ったアセットだけです。既存設定の修正、メール、連携は外側で手当てが必要になります。

2026年4月30日、サンドボックスの作法が変わりました

レガシー標準サンドボックスは2026年4月30日にサポート終了resync(再同期)機能も廃止されました。作業中の変更を上書きし、変更履歴を壊すためと公式に説明されています。

最新化は「削除して作り直す」しかなく、公式もこれを推奨します。作った瞬間から本番と乖離するため、検証期間は短く区切ります。「resync で最新化できる」という解説は旧仕様です。

Salesforceの「変更セット」に相当する仕組みはありません

HubSpot に、変更セット相当の汎用デプロイ機能はありません。 最も近い Deploy to Production にも、条件が2つあります。

  1. Enterprise 限定の機能であること
  2. サンドボックスで新規に作成し、かつ本番に同名の対応物が存在しないものしかデプロイできないこと

つまり、本番に既にあるワークフローやプロパティを直しても本番へ戻せません。Salesforce 経験者の期待と最もズレる点です。公式の回避策は「複製版を編集して新規アセットとしてデプロイする」運用です。

本番に戻せる(新規作成分のみ)

本番に戻せない

新規カスタムプロパティ、新規プロパティグループ、新規の条件付きロジック、新規の関連付け、新規パイプライン、新規の自動配信メールとメールフッター、新規フォーム、新規セグメント、新規ワークフロー

本番に既にあるアセットの編集全般、HubSpot標準定義プロパティの編集、新規プロパティのアクセス権限・機密データ設定、パイプラインルール・自動化タブ・取引タグ、通常配信メール、ブログ/RSS配信メール、フォーム設定、Webページ・トラッキングコード・CTA、レポート・ダッシュボード、権限・チーム設定、連携

反映当日に効く仕様は3つです。

  • 1回のデプロイは最大300件まで
  • 開始後はキャンセルできません
  • デプロイされたワークフローは本番側で自動的に Off(無効)になり、新規プロパティのアクセス権限と機密データ設定は手動で再設定が必要

テーマ・テンプレート・モジュールは対象外で、HubSpot CLI の別ルートです。

メールと連携は、サンドボックスの外側に出ます

メール:テストメールもマーケティングメールも、サンドボックスユーザーと同じアドレスを持つ連絡先にしか届きません。ただし送信IPは本番と共有です。

連携:サンドボックスは新しいポータルID(識別番号)を持つ独立ポータルです。本番の連携は自動接続されず、Salesforce、Gmail / Outlook、広告アカウント、Zapier などをすべて張り直します。APIキーやトークンも別発行・別管理になります。

Salesforce 連携:Salesforce のサンドボックスへ接続する経路は公式にあります。ただし本番同士の接続を保ったまま検証用の接続を並行できるかは公式の記載が薄く、事前確認が必要です。

Enterpriseでなくても、今日からできる検証があります

Professional 以上なら、Test 機能と変更履歴からの復元が中心になります。

手段

プラン条件

できること・注意点

ワークフローの Test 機能

Professional 以上

特定レコードで登録トリガーの判定、分岐の通り道、各アクションの内容をプレビュー。評価対象は現在保存中のバージョン

変更履歴からの Revert

Professional 以上

過去バージョンを復元。有効なワークフローは復元版がそのまま稼働するため復元前の一時停止が推奨。Webhook/カスタムコードを含むものは自動復元の対象外

削除したワークフローの復元

Professional 以上

削除後90日以内なら復元可。履歴を持たない新規ワークフロー扱いになる

CRM変更の復元

Starter 以上(Smart CRM のみ Professional 以上)、スーパー管理者権限が必須

変更ソースを指定して最大14日前まで遡って復元。インポート取り消しの実質的な手段

プロパティ値の Undo

全プラン

変更直後の短時間なら元に戻せる。ワークフロー・API・連携経由の変更には効かない

リストの Test matches

無料プランを含む全プラン

フィルタ条件に一致するレコードを事前確認でき、影響範囲を見積もれる

コンテンツのバージョン復元

全プラン

Webページ・ブログ記事は未公開の変更が自動保存され復元できる

検証用パイプラインを分ける

Starter 以上

無料プランではカスタムパイプラインを作成できない

「インポートを取り消す」機能はなく、実質は CRM変更の復元(14日以内)か対象レコードの一括削除です。無料アカウントの増設は公式に案内された検証手段ではありません。ユーザー2名・自動アクション1つ・カスタムパイプライン不可・カスタムオブジェクト不可では、本番を再現できません。

4. 解決した実例:よくある詰まり方と、解き方の型

個別の顧客事例ではなく、複数の相談に共通する詰まり方の型です。

ケース1|「サンドボックスで直して本番に戻す」計画が途中で崩れる

状況:Enterprise 契約でサンドボックスを作成し、稼働中のワークフローを作り替えて本番へ戻す計画でした。

詰まったこと:Deploy to Production の一覧に既存ワークフローが出てきません。既存アセットの編集は戻せない仕様に、反映段階で気づきました。

どう解いたか:変更を「新規で作るもの」と「既存を直すもの」に分け直します。新規はデプロイで運び、既存の改修は複製版を新規アセットとして出します。上書きが避けられない部分は、本番の手作業として工数に積みます。

判断のポイント:検証計画は「どう本番に戻すか」から逆算します。最大300件・キャンセル不可・デプロイ後 Off の3点は手順書へ書きます。

ケース2|Professional契約で「検証環境がないから何も試せない」と止まっていた

状況:契約は Professional でした。サンドボックスが使えないと分かり、改修が止まっていました。

詰まったこと:「サンドボックスがない=安全に試す手段がない」と捉え、代替できる範囲を検討していませんでした。

どう解いたか:ワークフローはオフのまま組み、Test 機能で登録判定と分岐の通り道を確認します。リストの条件変更は Test matches で影響件数を見積もります。改修前のバージョンは変更履歴で控えます(Webhook・カスタムコードを含むものは自動復元の対象外)。リリース後14日間は、CRM変更の復元が効く「復旧可能期間」として運用ルールに組み込みます。

判断のポイント:単体のワークフローやリストの検証なら、Professional の標準機能でかなり代替できます。一方、権限設計の変更、関連付けの作り替え、大量インポートの予行演習は代替しにくく、Enterprise 検討の材料になります。

ケース3|サンドボックスを作ったのに、連携とメールの検証だけ進まない

状況:オブジェクトやワークフローの検証は順調で、残るは Salesforce 連携とメール配信のテストでした。

詰まったこと:本番の連携が引き継がれておらず、Salesforce は未接続でした。テストメールも届きません。

どう解いたか:連携は張り直す作業として工数に積みます。メールは検証用アドレスをサンドボックスのユーザーに登録し、同じアドレスの連絡先を作ってテストします。送信IPは本番と共有のため、「サンドボックスなら安全」という前提も外します。

判断のポイント:サンドボックス内で完結する検証と、外に出る検証を最初に線引きします。連携・メール・トラッキング・公開ページは外部側で、コピー対象外の領域とあわせてスコープから外します。

5. 実現可否のご相談:検証環境の設計と本番反映

相談の前に、自社で確認しておくと早いこと

  • 契約中の Hub とティア(いずれかが Enterprise か)
  • スーパー管理者権限の担当者がいるか
  • 検証対象(オブジェクト設計/自動化/権限/インポート/連携/コンテンツ)
  • 本番へ戻したい変更は「新規追加」か「既存の修正」か
  • 検証にかけられる期間(長期化するなら作り直し前提を織り込む)

本番のデータ品質に不安があれば、HubSpotが「ゴミ箱」化するのを防ぐ5つの習慣もご覧ください。

判断が難しくなりやすいところ

  • 既存設定の大規模改修を本番反映まで含めて段取りしたい
  • Salesforce と HubSpot の両方に検証環境を用意し、連携の挙動まで確認したい
  • Enterprise へのアップグレードが妥当かを検証要件から逆算したい

ハレフルは Salesforce と HubSpot 双方の認定パートナーです。お客様の自走をゴールに、検証設計と本番反映の段取りからご相談を承ります。

やりたいこと、実現できるか
先に確かめませんか。

標準機能で足りるのか、設定の工夫で回避できるのか、カスタム開発が必要なのか。どこに当たるかを切り分けます。

相談は無料です。2営業日を目安にお答えします。

よくある質問(FAQ)

Q. サンドボックスの作成に必要な権限は? A. スーパー管理者権限です。作成時は本番のスーパー管理者、昇格アクセス権を持つパートナー管理者、開発者ツール権限を持つユーザーがコピーされます。

Q. サンドボックスは本番の最新状態に自動で追随しますか? A. しません。コピーは作成時の一度きりで、最新化には削除して作り直します。再同期(resync)は廃止されました。

Q. サンドボックスからメールを送ると顧客に届きますか? A. サンドボックスユーザーと同じアドレスを持つ連絡先にしか届きません。ただし送信IPは本番と共有です。

Q. Salesforce連携はサンドボックスに引き継がれますか? A. 引き継がれません。独立ポータルのため、すべて張り直します。接続経路自体はありますが、構成は事前にご確認ください。

Q. サンドボックスは何個まで作れますか。追加費用はいくらですか? A. 標準では1アカウント1つ、追加は購入制です。追加購入の価格、購入後の上限個数、サンドボックスのユーザーが本番の課金対象になるかは、いずれも公式に公開されていません。HubSpot または担当パートナーにご確認ください。

まとめ

  1. 対象Hubのいずれか1つが Enterprise なら使えます。Operations Hub は対象一覧に含まれていません。
  2. 2026年4月30日以降は「再同期」ではなく「作り直す」運用です。古い解説記事にご注意ください。
  3. 本番へ戻せるのは新規作成分のみで、既存設定の修正は本番での手作業になります。

検証環境は作ることがゴールではありません。本番にどう戻すかまで設計して、初めて機能します。HubSpot は更新が速いため、最新の公式情報もあわせてご確認ください。

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