この記事の概要
・HubSpotの「コンタクト」と「マーケティングコンタクト」の違いを理解できる
・「マーケティングコンタクト」で利用可能になる具体的な機能がわかる
・どのようなコンタクトを「マーケティングコンタクト」に設定すべきかがわかる
・「マーケティングコンタクト」の設定方法がわかる
・適切な管理によるコスト最適化の重要性がわかる
CRM(顧客関係管理)を中心としたマーケティング・営業・カスタマーサポートを一貫管理できるプラットフォームとして広く利用されているHubSpot。そのなかで重要な概念の一つが「コンタクト」と「マーケティングコンタクト」の違いです。HubSpotを効果的に活用するためには、それぞれの役割をしっかりと理解しておくことが大切です。
HubSpotにおける「コンタクト」とは、システム内に登録された個人や企業の基本的な「顧客情報」のことを指します。コンタクトには、氏名や会社名、役職・職種、メールアドレスや電話番号などの基本情報に加え、ライフサイクルステージ、Webサイトの閲覧履歴やEメールの開封状況、過去の商談履歴など、顧客との関係性を示す様々なデータが記録されます。このコンタクト情報は、HubSpotの無料プラン・有料プランを問わず保存することが可能です。
HubSpotのコンタクトについてはコチラの記事もご覧ください。
【HubSpot】コンタクトとリードの違いは?それぞれの役割についても解説
HubSpotでは、「コンタクト」と似た用語として「マーケティングコンタクト」という区分があります。「マーケティングコンタクト」とは、HubSpotに登録されている全てのコンタクトの中から、特にマーケティング施策の対象として指定されたコンタクトを指し、「コンタクト」と識別して管理されます。
HubSpotに登録されている「コンタクト」の全てがマーケティング活動(例:メルマガ配信)の対象になるとは限りません。例えば、メールアドレスが無効であったり、メルマガの配信解除を希望していたりするされたりしているコンタクトも存在します。
そこで、HubSpotのMarketingHub有料プランでは、マーケティング活動に積極的に関与させたいコンタクトを「マーケティングコンタクト」として設定することで、以下の機能の利用を可能にしています。
HubSpotのMarketing Hubの月額料金は、「マーケティングコンタクト」として設定されているコンタクトの数に基づいて算出されます。マーケティング施策の対象としないコンタクト(非マーケティングコンタクト)は、課金の対象外となり、HubSpotでは、最大1,500万件まで非マーケティングコンタクトを無料で保存できます。
この仕組みを理解し、実際にマーケティング活動を行うコンタクトのみを「マーケティングコンタクト」として管理することで、不要なコストの発生を防ぎ、費用対効果の高い運用が実現できます。例えば、メール配信エラーが多いコンタクトや配信解除済みのコンタクトを「非マーケティングコンタクト」に設定すれば、その分のコストを削減できます。
そのため、どのコンタクトをマーケティング対象とするかを慎重に管理することが重要です。
マーケティングコンタクトに分類されたコンタクトは、HubSpotの料金体系に直接関係してきます。Marketing Hubでは、マーケティングコンタクトの数に応じて月額費用が発生するため、すべてのコンタクトをむやみにマーケティング対象とするのは非効率です。
逆に、メール配信エラーが頻発しているコンタクトや、配信解除をしているユーザーなどをマーケティング対象から外すことで、無駄なコストを削減することができます。
マーケティング対象外のコンタクトは、最大で1,500万件まで無料で保存することが可能なので、削除せずに保管し、必要に応じて再アプローチすることも可能です。このような仕組みをうまく活用することで、費用対効果の高いマーケティング施策を実現できます。
さらに、実際にマーケティング活動の対象として使うコンタクトだけをマーケティングコンタクトとして扱うことで、無駄なコストを抑えることができるのです。
コスト効率を考えると、全てのコンタクトをマーケティング対象にするのは得策ではありません。では、どのようなコンタクトを「マーケティングコンタクト」に設定するのが効果的なのでしょうか。
逆に、以下のようなケースは「非マーケティングコンタクト」に設定しておいても良いかもしれません。
HubSpotでは、コンタクトを「マーケティングコンタクト」または「非マーケティングコンタクト」に設定・変更する方法が複数用意されています。
① 手動で設定する
② インポート時に設定する
CSVファイルなどで既存のコンタクトをまとめてインポートする際にマーケティングコンタクトに設定して更新できます。
インポート画面の「詳細」で、「これらのコンタクトをマーケティングコンタクトに設定」にチェック。ダイアログボックスで[推定されるマーケティングコンタクトの数を入力一括で設定が可能です。
ダイアログボックスで、推定されるマーケティングコンタクトの数を入力して、[○○件のコンタクトをインポートして設定]をクリックして確定すると、インポート完了です。
③ ワークフローを使って自動化する
「Professional」または「Enterprise」プランでは、ワークフロー機能を活用して、自動的にコンタクトをマーケティング対象に設定することができます。
特定の条件(例:フォーム送信完了、ライフサイクルステージの変更、特定のWebページ閲覧)を満たしたコンタクトを、自動的に「マーケティングコンタクト」に設定するルールを作成することで、手作業の手間を省き、設定漏れを防ぎます。
④ フォーム送信時に自動設定(デフォルト)
HubSpot上で作成されたフォームは、初期設定で送信したコンタクトを自動的にマーケティング対象として設定できます。この設定はフォームごとに設定を無効にすることも可能です。
マーケティングコンタクトかどうかのステータス変更は、月単位で管理されます。月中に設定を変更した場合でも、実際のステータス(および課金対象への影響)が反映されるのは翌月の初日となりますので注意が必要です。
不要なコンタクトをマーケティング対象から外すには次のような手順で進めます。
マーケティングコンタクトの運用で、例えば全コンタクトを一括でマーケティングコンタクトに設定すると、Eメールを送らない相手にもコストが発生してしまいます。また、過去に離脱した顧客や、エンゲージメントが低いコンタクトが含まれていると、開封率やクリック率を下げ、パフォーマンス評価に影響が出る可能性があります。定期的に見直し、「非マーケティングコンタクト」への変更を検討することも大切になるでしょう。
ワークフローで自動化せず、手動で都度設定していると、手間がかかり、人為的ミスで課金対象が増えるといったリスクが生じることがあります。これらを避けるためには、マーケティング施策に本当に必要な人だけを対象にし、定期的に見直すことがポイントです。
HubSpotの「コンタクト」と「マーケティングコンタクト」は、運用とコストに大きく影響する基本的な概念です。特に有料プランでは、マーケティングコンタクト数が月額課金に反映されるため、適切な管理が必要です。手動設定・インポート時設定・自動ワークフローなどの機能を活用し、常に適切な対象者にだけマーケティング施策を展開する仕組みを整えることで、費用対効果を最大化できます。
HubSpotでのマーケティング活動から最大の成果を得るためには、個別の手動設定、データのインポート機能、そしてワークフローによる自動化を駆使して、マーケティング施策を届けるべきコンタクトを的確に絞り込むことが重要です。ビジネスの状況は常に変化するため、設定した内容を定期的に見直しをして、必要に応じて調整していきましょう。
これからHubSpotを活用していく企業、あるいは運用効率化を目指す企業は、まず、ターゲットを明確にし、戦略に基づいてマーケティングコンタクトを選定することから始めることをおすすめします。
株式会社ハレフルでは HubSpot や Salesforce の導入・運用支援 を行っております。初期設定や操作方法などから、自社にマッチしたサポートをご提案しており、CRMの導入は初めてという企業様も安心してご依頼いただけます。スコアリングをはじめ、HubSpotが有する機能についての相談や設定にも応じています。「自社にあったCRMを選定してセールスやマーケティングを効率化したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」など、HubSpot導入に関する具体的な相談や、プランの選び方についてお困りの方は、ぜひ お問い合わせ からご連絡ください。