この記事の概要
・HubSpotのインポート機能で何ができるか理解できる
・HubSpotで取引情報をインポートする具体的な手順がわかる
・インポート作業をスムーズに進めるための注意点がわかる
HubSpotでの顧客情報である「コンタクト」や営業案件である「取引」は、営業活動を効率化し、売上向上に繋げるための重要な要素です。これらの情報を既存のシステムからHubSpotへ移行する際、そのデータが大量であれば、手作業での入力は時間がかかり、非効率的です。そこで役立つのが、HubSpotのインポート機能です。
HubSpotのインポート機能は、他のシステムやファイルに保存されたデータをHubSpotに取り込むための機能です。新規の顧客や取引情報の追加、あるいは既存情報の更新や統合を、データファイルをアップロードするだけで効率的に行えます。インポートするファイルは、特定の形式や条件に沿って準備する必要があります。
インポート作業を開始する前に、HubSpotがどのようにデータを管理しているかを理解しておきましょう。HubSpotは、以下のような「オブジェクト」を軸に情報が構成されています。
コンタクト
顧客や見込み客、ビジネスパートナーなど、個人に関する情報。氏名、メールアドレス、電話番号、会社名などが含まれます。
会社
企業に関する情報。会社名、住所、業種、従業員数などが含まれます。
取引
商談や契約情報。取引名、進捗状況、クローズ日、売上額のほか、取引担当者や取引企業などが含まれます。
チケット
カスタマーサービスに関する情報。チケット名、ステータス、優先度などが含まれます。
それぞれのオブジェクト内に存在する個々のインスタンスのことを「レコード」と言います。
各レコードに紐づく情報は「プロパティ」です。
例えば「取引」の場合、次のようになります。
・オブジェクト:取引
・レコード:取引Aに関連する情報
・プロパティ:案件名、取引ステージ、取引担当者、取引金額など
インポートするオブジェクトなどによって、特定のプロパティが必須となります。新規の取引をインポートする際には、取引名、パイプライン、取引ステージのプロパティが必要です。
既存の取引を更新する場合は、レコードIDのような固有のIDが必須となります。これらの必須プロパティは、インポートファイルの列ヘッダーとして含める必要があるので、覚えておきましょう。
ここからは実際にHubSpotへ取引情報をまとめてインポートする方法を、順を追って解説します。
① ファイルを準備する
HubSpotへインポートする際、ファイル形式を「.csv」「.xlsx」「.xls」にしておく必要があります。「.txt(テキスト形式)」や、PDF形式などはインポートできません。
ファイルのサイズや行数はプランによって上限が設定されているので、注意が必要です。
無料プラン
ファイルのサイズ:最大20MB
インポート件数:1日最大50件
インポート可能行数:1日最大500,000行
「Starter」「Professional」、「Enterprise」の有料プラン
ファイルのサイズ:最大512MB
インポート件数:1日最大500件
インポート可能行数:1日最大10,000,000行
1ファイルあたり行数の上限:1,048,576行
インポートAPIを使用する場合:1日最大80,000,000行
制限を超えるデータをインポートする場合は、ファイルを複数に分割する必要があります。
② 必要なプロパティの確認と準備
インポートするデータは、HubSpotの各オブジェクト(取引やコンタクトなど)が持つプロパティ(項目)に合うように準備する必要があります。HubSpotには標準で用意されているプロパティがありますが、もし追加したい情報がある場合は、事前にカスタムプロパティとして作成しておきましょう。
たとえば、インポートしたいデータに「取引金額」という新しい項目が含まれていて、それがまだHubSpotにない場合を考えてみましょう。この「取引金額」の情報をHubSpotに取り込むためには、インポート作業の前に、HubSpot上で「取引金額」という名前のカスタムプロパティを作成しておく必要があります。インポートに使うファイルには、この新しいプロパティ名と同じ「取引金額」という列を追加し、そこに金額を入力しておくことで、データが正しくHubSpotに反映されます。
こうすることで、データの整合性が保たれ、スムーズにインポートが完了します。
ファイルの準備が整ったら、いよいよHubSpotへのインポート作業です。
① 「取引」メニューへアクセス
HubSpot管理画面の左サイドメニューから「CRM」>「取引」を選択し、画面右上の「インポート」をクリックします。
② 「ファイルからインポート」を選択。
「ファイルからインポート」を選択し、画面右下の「次へ」をクリックします。その他、「アプリから同期」「データを移行」も選択できます。
③ 「インポートを開始」をクリック
④ ファイルに含まれている情報を選択
ファイルに含まれている情報(取引・コンタクトなど)を選択し、「次へ」をクリックします。
⑤ ファイルのアップロード
「1つのファイル」か「複数のファイル」かにチェックをいれ、準備したファイルをアップロードします。
① データのマッピング
ファイルのアップロードが終わったら、次は**データの紐付け(マッピング)**を行います。これは、インポートするファイル内の各項目(列)を、HubSpotにある対応するプロパティ(項目)に結びつける作業です。
このマッピングを行うことで、例えばファイル内の「取引金額」という列がHubSpotの「取引金額」プロパティに正しく関連付けられ、データが自動的に適切な場所へ登録されます。マッピングが完了したら、内容に間違いがないか確認し、チェックボックスにチェックを入れて「インポート完了」をクリックしてください。
② インポートされているか確認
インポートが完了したら、必ずHubSpot内でデータが正しく取り込まれているかを確認しましょう。例えば、取引と担当者や会社が正しく関連付けられているかです。インポートした取引や担当者が表示されているか、氏名、メールアドレス、電話番号などの情報が正しいかを確認します。
重複データの確認と削除
時間の経過とともに古くなったり、重複が発生したりする可能性があります。
HubSpotに蓄積されたデータは、時間が経つと古くなったり、同じ情報が重複してしまったりすることがあります。そのため、定期的にデータを整理し、常に正確な状態を保つことが大切です。もし重複データが見つかった場合、意図しないデータが増えるのを防ぐためにも、インポートする前に重複を解消しておくことをおすすめします。
表記の統一
プロパティ名、取引名、ステージ名など、HubSpot内で使用する名称をチーム内で統一しておくと、レポート作成や分析が容易になります。
HubSpotにおける取引や担当者のインポートは、事前のデータ準備と正確なマッピングを行うことで、効率的に大量のデータを移行することが可能です。
HubSpotでのインポート設定、そしてインポート後の確認とエラー対応を丁寧に行うことで、HubSpotアカウントを正確で最新のデータで満たし、ビジネスの成長を加速させる基盤を築くことができます。データの力を最大限に引き出し、HubSpotの持つ可能性をぜひ活用してください。
株式会社ハレフルでは HubSpot や Salesforce の導入・運用支援 を行っております。初期設定や操作方法などから、自社にマッチしたサポートをご提案しており、CRMの導入は初めてという企業様も安心してご依頼いただけます。スコアリングをはじめ、HubSpotが有する機能についての相談や設定にも応じています。「自社にあったCRMを選定してセールスやマーケティングを効率化したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」など、HubSpot導入に関する具体的な相談や、プランの選び方についてお困りの方は、ぜひ お問い合わせ からご連絡ください。