この記事の概要
・ビジネスツールにおける権限管理の重要性がわかる
・HubSpotのパートナー管理者やスーパー管理者の概要がわかる
・パートナー管理者のなり方やできることがわかる
・スーパー管理者からパートナー管理者への移行方法がわかる
データの閲覧や編集を制限する権限管理は、ビジネスツールの利用において最も基本的かつ重要な要素です。適切な権限設定により、組織の機密データや顧客情報へのアクセスを制限し、不正アクセスや情報漏洩を防止することができます。たとえば、顧客データを管理するHubSpotのようなCRMツールでは、営業担当者は自分の案件のみアクセス可能とし、管理者には全てのデータへのアクセス権を付与するといった設定ができます。これにより、内部統制の強化とデータの安全性確保を図ることができるのです。適切なデータの権限管理には、以下のようなメリットもあります。
Ø 業務効率の向上
権限管理は業務効率化にも寄与します。各ユーザーが自分の業務に関連する情報や機能に迅速にアクセスできるように設定することで、無駄な手続きや確認作業が減少します。誤操作や不要な情報共有を防ぎつつ、作業スピードを向上させることができるのです。
Ø コンプライアンス遵守
企業が業界標準や法規制を遵守するためにも、権限管理は欠かせません。特に個人情報保護法やGDPR(一般データ保護規則)においては、ユーザーの個人データへのアクセス制限が厳しく求められています。たとえば、顧客情報を管理する際、サポート担当者には顧客対応履歴のみを閲覧可能とし、財務担当者には支払い情報のみを閲覧可能とするなど、権限を細分化して管理することが推奨されます。これにより、データ漏洩リスクを最小限に抑えると同時に、法的なコンプライアンスを確保できます。
Ø 監査とトラッキングの容易化
権限管理の設定を適切に行うことで、誰がどのデータにアクセスしたかを詳細に追跡することが可能となり、これは監査対応時に非常に有効です。多くのビジネスツールでは、アクセスログの記録機能が備わっており、内部不正の早期発見やインシデント発生時の原因特定に役立ちます。万が一、不審なアクセスが発見された場合、その履歴を確認して迅速な対応を行うことができるのです。
Ø チームの役割分担の明確化
権限管理を徹底することで、各ユーザーの役割や責任範囲を明確化できます。これにより、業務範囲の混乱を防ぎ、プロジェクトの円滑な進行が期待できます。たとえばHubSpotのようなCRMツールでは、「管理者」、「営業担当」、「マーケティング担当」といった役割ごとに権限を設定することで、誰が何にアクセスできるかが明確になります。これにより業務の分担が可視化され、責任の所在を明確にすることができます。
HubSpotのパートナー管理者とは、HubSpotSolutions Partnerの従業員に付与される、パートナーアカウントからクライアントのHubSpotアカウントへのアクセス権限を管理するための役割です。スーパー管理者と同様のアクセス権を持ち、クライアントのHubSpotアカウントにおけるパートナー従業員の権限を直接管理できます。
HubSpot Solutions Partner(ソリューションパートナー) とは、HubSpot製品の販売や導入、運用サポートを提供するため、HubSpot社に認定された企業または代理店のことです。HubSpot Solutions Partnerは、HubSpotの各種ツール(CRMやマーケティング、セールス、サービス、CMSなど)を用いて顧客のビジネス成長を支援します。HubSpot Solutions Partnerには、以下のような特徴と役割があります:
Ø 導入支援
HubSpot製品のセットアップおよびカスタマイズの支援
Ø コンサルティング
マーケティング戦略の設計および最適化
Ø トレーニング
HubSpotツールの活用方法の教育・指導
Ø インテグレーション
他のビジネスツールやCRMシステムとの統合サポート
Ø レポート作成
データ分析とレポートの作成・提供
HubSpotにおけるスーパー管理者とは、アカウント全体の権限を有する最上位の管理者を指します。スーパー管理者は、全ての設定、データの閲覧・編集、ユーザーの権限管理など、包括的なアクセス権を持っています。たとえばクライアントのアカウントにおいても、スーパー管理者は新しいパートナー管理者の追加や削除、各種権限の設定変更が可能です。スーパー管理者は、企業の運営方針に基づき、誰がアクセス可能かを厳密にコントロールするための重要な役割を担っています。クライアントのHubSpot活用を最適化する際にも、スーパー管理者の適切な設定は欠かせません。
先述のように、パートナー管理者はスーパー管理者と同様の権限をもっていますが、明確な違いもあります。パートナー管理者は、クライアントのHubSpotアカウントにアクセスし、顧客データの閲覧や設定の調整が可能ですが、その権限はあくまで【クライアントが許可した範囲内】に限定されます。一方、スーパー管理者は、アカウント全体の管理権限を持ち、すべてのデータや設定にアクセスできる最上位の権限を持っています。パートナー管理者は、あくまでクライアント支援が主目的であり、スーパー管理者は内部管理が中心という違いがあるのです。
HubSpotのパートナー管理者は、クライアントのアカウント管理において多岐にわたる権限を持っています。具体的には、クライアントのアカウントへのアクセス権の設定や新たなユーザーの追加、ユーザー権限の調整が可能です。さらに、クライアントのダッシュボードやレポートの作成、データの閲覧・編集を通じて、マーケティング活動の最適化をサポートすることができます。これにより、パートナー管理者はクライアントのHubSpot活用を効率化し、顧客対応の品質向上に貢献できます。
HubSpotでクライアントのパートナー管理者になるには、いくつかの手続きが必要になります。まずクライアントが、パートナー管理者としてのアクセス権を対象者(パートナー管理者になろうとする者)に付与する必要があります。具体的には、まず対象者がクライアントにパートナー管理者アクセスリンクを送り、クライアントがHubSpotアカウント内で「パートナー > クライアントアクセスマネージャー」と進んで対象者の権限を設定・承認します(パートナー管理者になれるのは、ソリューションパートナーとプロバイダーのみ)。その後、パートナー管理者となった対象者は自身のアクセス権限に基づき、クライアントの設定やデータの管理が可能となります。この手続きにより、パートナー管理者としての権限が正式に確立され、クライアントのHubSpot活用を支援できるようになるのです。
あなたがすでに顧客アカウントのスーパー管理者であれば、パートナーアカウントからパートナー管理者になることができます。ただしクライアントアカウントには、1人以上のスーパー管理者が必要なので、あなたがパートナー管理者になるためにはスーパー管理者を別途設定しておく必要があります。
上記の設定を行った上、以下の手続きを経ることでスーパー管理者からパートナー管理者へ移行することができます。
1. HubSpotPartnerアカウントで、「Partner > クライアント アクセス マネージャー」に移動
2. パートナー管理者になるクライアントアカウントにマウスを合わせ、パートナー管理者に変更をクリック
3. 最後に「確認」をクリック
ビジネスツールにおける適切な権限管理は、データセキュリティの確保だけでなく、業務効率の向上やコンプライアンスの遵守にも直結する、非常に重要な要素です。HubSpotでは営業担当者には自分の案件のみのアクセス権を設定し、管理者には全てのデータへのアクセスを許可することで内部統制を強化できます。また、パートナー管理者はクライアントのHubSpotアカウントを効率的に管理し、スーパー管理者は全体の権限をコントロールする役割を担います。このような権限設定の最適化により、情報漏洩のリスクを抑えつつ、各担当者の責任範囲を明確化できるため、業務の透明性と信頼性を同時に高めることが可能になります。
株式会社ハレフルでは HubSpot や Salesforce の導入・運用支援 を行っております。初期設定や操作方法などから、自社にマッチしたサポートをご提案しており、CRMの導入は初めてという企業様も安心してご依頼いただけます。スコアリングをはじめ、HubSpotが有する機能についての相談や設定にも応じています。「自社にあったCRMを選定してセールスやマーケティングを効率化したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」など、HubSpot導入に関する具体的な相談や、プランの選び方についてお困りの方は、ぜひ お問い合わせ からご連絡ください。