この記事の概要
・HubSpotの概要がわかる
・HubSpotの導入が向いていない企業がわかる
・HubSpotの導入が向いている企業がわかる
・HubSpot導入時の注意点がわかる
近年、多くの企業が業務の効率化やマーケティングの自動化を目的にCRM(顧客管理)ツールを導入しています。その中でもマーケティング、セールス、カスタマーサポートなど幅広い機能を一体化したプラットフォームとして注目されているのが、「HubSpot」です。
HubSpotとは、アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置くHubSpot, Inc.が提供しているクラウド型のCRMプラットフォームで、単なる顧客管理ツールに留まらず、ビジネスの成長に必要な多岐にわたる機能が集約されています。
HubSpotが提供している主なサービス(Hub)を紹介します。これらの製品は全てCRMデータベースに接続されており、カスタマージャーニーの各ステージの顧客に関する情報を引き出すことができます。単体でもメリットがありますが、組み合わせることで相乗効果を発揮します。
マーケティング施策を効率化・自動化するAI搭載のソフトウェア。見込み顧客の獲得から育成、分析まで、マーケティング活動全般を支援します。
営業活動を支援・効率化するための営業支援ソフトウェア。営業エンゲージメントツール、取引管理ツール、レポート・アナリティクス機能、CPQ機能、コーチングツールなどを利用できます。成約率の向上、営業活動の効率化、パイプライン管理、顧客との信頼関係の強化に役立ちます。
カスタマーサポートを強化するソフトウェア。顧客からの問い合わせ管理、サポート業務の効率化、顧客満足度向上を支援します。
AIを搭載した一元型のコンテンツマーケティングソフトウェア。コンテンツ生成機能、リードジェネレーション用ツール、動画やポッドキャストのホスティング、SEO推奨、分析とレポートなど、優れたコンテンツの構築を実現。
データやシステムの統合・連携、顧客データの同期、整理などを支援するソフトウェア。業務プロセスの自動化を支援し、効率的なオペレーションを実現します。
顧客への請求や収益の回収をサポートする機能を備えたコマースツール。決済リンク、請求書、見積もり、サブスクリプション管理、収益レポートなど充実した機能が備わっています。
HubSpotの各Hubはそれぞれ無料プランから始まり、Starter、Professional、Enterpriseといった段階的な有料プランが用意されています。利用規模や目的に応じて柔軟に選べます。
HubSpotは非常に多機能なツールですが、すべての企業に適しているわけではありません。
H導入前の準備や自社との相性を見極めることが重要です。以下にHubSpot導入をオススメできない企業の特徴をご紹介します。
HubSpotは目的に応じて活用方法が大きく変わるため、導入の段階で「何を改善したいのか」「どのようなKPIを達成したいのか」を明確にしておく必要があります。「なんとなく良さそうだから」「他社が使っているから」といった曖昧な理由で検討している段階であれば、導入後にどの機能を使えば良いか分からず、HubSpotを十分に使いこなせない可能性があります。
HubSpotは多機能であるがゆえに、せっかく導入しても一部の機能しか使われていないケースがあります。特に、自社の業務フローやマーケティング戦略と結びついていないと、導入しただけで満足してしまい、結果的にコストパフォーマンスが悪くなります。
HubSpotの設定や運用には一定の人材リソースが必要です。初期設定、メールテンプレート作成、キャンペーン運用、データ分析などに時間を割ける担当者がいない場合、効果を発揮できない可能性があります。社内にマーケティングやシステム担当が不在の場合は、外部パートナーとの連携を検討しましょう。
HubSpotを活用したインバウンドマーケティングでは、ブログ記事、メールマガジン、ホワイトペーパーなどのコンテンツが核となります。自社内にコンテンツ制作のノウハウやリソースが不足し、十分なコンテンツの準備ができない、あるいは新しいコンテンツの制作や更新できる体制が整っていない場合、HubSpotを活用しても成果が出にくくなる可能性があります。
一方、次のような企業はHubSpot導入に向いています。
「業務が非効率だ」「部門間の連携がうまくいっていない」といった課題を抱えている企業に、HubSpotは適しています。HubSpotの導入を機に、属人化していた業務やボトルネックを可視化し、HubSpotの機能に沿ってプロセスを改善し、組織全体の効率化をサポートします。
HubSpotには、コンテンツの作成(ブログ、LP)、配信(Eメール、SNSなど)、効果測定までを一元管理する機能が揃っており、コンテンツと成果に直結させる仕組みを構築することが可能です。すでにコンテンツ制作に力を入れている企業は、HubSpotの機能を活かすことで、ビジネスを加速させることができるでしょう。
HubSpotは、オンライン上での顧客接点を軸に設計されており、オンライン上の顧客の行動(サイト訪問、メール開封、資料ダウンロードなど)を記録・分析できます。これまで対面営業や展示会が中心だった企業が、Webサイトからの問い合わせ獲得やオンラインでの顧客育成へ本格的に舵を切りたい場合に、HubSpotは大いに役立つでしょう。
マーケティング、営業、カスタマーサポートの各部門で、顧客情報がバラバラに管理されている企業は少なくありません。HubSpotは、見込み客が自社を認知してから顧客となり、ファンへと成長していくまでの一連の流れを単一のデータベース上で管理できます。顧客の情報は部門間で連携されているので、一貫性のある質の高い顧客対応が可能になります。
HubSpotは、導入のハードルは比較的低いですが、「とりあえず導入してみたものの、機能が多すぎて使いこなせない」という事態に陥るケースは少なくありません。HubSpotの価値を最大限に引き出すためには、次のような点に気をつけましょう。
まず、「なぜHubSpotを導入するのか」という目的を明確にすることが重要です。例えば、「見込み客の獲得数を3倍にする」「顧客満足度を15%高める」といった、数値目標(KPI)を設定することで、必要な機能を選び、効果を測定しながら改善を進めることができます。短期的な目標ではなく、3か月後、1年後、3年後といった中長期的な計画を立てることも重要です。
HubSpotを効果的に活用できるかは、初期設定によって左右されるといっても過言ではありません。どのデータをどのタイミングで入力するのか、チーム全体でルールを決め、一貫性のあるデータ管理体制を構築しましょう。また、HubSpot導入は、業務フローを見直す機会にもなります。自社の理想的なプロセスを実現するためにHubSpotをどうカスタマイズするべきかを考えながら、時間をかけて設計を進めることが重要です。
HubSpotを導入する際は、操作のトレーニングや運用ルールの勉強会などを実施し、ツール利用の定着を促進しましょう。トレーニングをして終わりではなく、現場からの質問にも迅速に対応できるサポート体制づくりも大切です。
HubSpotの導入を成功させるためには、経験豊富な導入支援パートナーの存在が欠かせません。自社のビジネスの課題を深く理解し、HubSpotを通じて課題解決に向けて寄り添ってくれるパートナーを選ぶことが、その後の成長につながります。
HubSpot認定パートナー企業は、ツールに関する専門知識や導入支援のスキルを一定水準以上持っています。信頼性や技術力を判断するための基本的な指標となります。
多様な業種や企業規模での導入支援実績があるかも重要なポイントです。実績の多いパートナー企業は、予期せぬ課題への対応力や、実践的なノウハウを蓄積しており、柔軟で的確なサポートを受けられる可能性があります。
ツールの使い方だけでなく、戦略の設計や顧客との関係構築まで見据えた提案をしてくれるパートナーを選びましょう。導入後も運用が安定するまで伴走してくれるパートナーであれば、HubSpotに関する疑問が生じても、すぐに対応してもらえるため安心です。
HubSpotの導入を検討している企業は、まず自社の課題や目標を整理するところから始めましょう。明確な戦略のもとで導入を進めることで、業務効率化や顧客満足度の向上などの成果につながるはずです。導入時には信頼できるパートナー企業の支援を受けることで、より効率的に導入が進められるでしょう。
株式会社ハレフルでは HubSpot や Salesforce の導入・運用支援 を行っております。初期設定や操作方法などから、自社にマッチしたサポートをご提案しており、CRMの導入は初めてという企業様も安心してご依頼いただけます。スコアリングをはじめ、HubSpotが有する機能についての相談や設定にも応じています。「自社にあったCRMを選定してセールスやマーケティングを効率化したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」など、HubSpot導入に関する具体的な相談や、プランの選び方についてお困りの方は、ぜひ お問い合わせ からご連絡ください。