この記事の概要
・トラッキングの概要やメリットがわかる
・HubSpotのトラッキング機能と設定方法がわかる
・トラッキングコードの設置方法やトラッキングURLの作成方法がわかる
・Google Tag Managerとの連携について知ることができる
トラッキングとは、Webサイト訪問者の行動データを収集・分析する手法のことを指します。HubSpotにおけるトラッキングは、訪問者がどのページを閲覧し、どのリンクをクリックし、どのような経路でサイトを訪れたのかといった情報を把握するために活用されます。これにより、マーケティング施策や営業活動において、見込み顧客(リード)の興味や関心を可視化し、よりパーソナライズされたアプローチが可能になります。
また、メールの開封やリンククリックの有無といった指標も追跡でき、コンテンツの効果測定にも役立ちます。特にHubSpotでは、トラッキングURLの作成機能やEメールトラッキングといった専用ツールが整備されており、これらを適切に設定することでリードナーチャリングやコンバージョン率の向上に直結するインサイトを得ることができます。
トラッキングのメリットを整理すると、以下のようになります。
Ø ユーザー行動の可視化
トラッキング機能を活用することで、訪問者がどのページを閲覧し、どのリンクをクリックしたかといった行動履歴を把握できます。これにより、ユーザーの興味・関心を定量的に分析でき、マーケティング施策の精度が向上します。
Ø コンバージョン率の最適化
トラッキングデータを活用すれば、どのチャネルやコンテンツが成果につながっているのかを明確にすることができます。効果の高いユーザーの導線を特定し、PDCAサイクルを回して改善することでコンバージョン率の向上が期待できます。
Ø パーソナライズ施策の強化
ユーザー(訪問者)の行動履歴に基づいた情報は、メール配信やコンテンツ出し分けといったパーソナライズ戦略に有効です。HubSpotではメールの開封やURLのクリックもトラッキング可能で、パーソナライズ施策の最適化が図れます。
HubSpotでは、以下のようなトラッキング機能を設定することができます。
Ø トラッキングURLの作成
HubSpotではトラッキングパラメータを付与した専用URL(トラッキングURL)を生成でき、流入元やキャンペーン別の効果測定が可能です。これにより、訪問者のアクセス経路を把握することができます。
Ø Web行動の追跡
HubSpotで生成したトラッキングコードをWebサイトに設置すると、訪問者のページ閲覧履歴やフォーム送信などの行動が記録されます。これにより、訪問者の関心や検討状況を可視化できます。
Ø メールトラッキング
メールマガジンや販促メールの開封やリンクのクリック状況をリアルタイムで追跡できます。Sales Hubには開封やクリックの通知機能があり、アプローチのタイミングを最適化する上で有効です
HubSpotでトラッキング機能を活用するためには、まずWebサイト上に専用のトラッキングコードを正しく設置することが必要です。このコードを設置することで、訪問者の流入経路やページ閲覧履歴、コンバージョン経路などを自動的に記録できるようになります。さらにキャンペーン単位で流入経路を分析したい場合には、HubSpot上でトラッキングURLを生成して使用します。これにより、メールや広告、SNSなど、チャネルごとの効果測定が可能になります。
トラッキングコードとは、Webサイトの訪問者データを収集するためのJavaScriptコードです。トラッキングコードはHubSpotの管理画面から簡単に取得でき、Webサイト全体に設置することで、ユーザーの動きを可視化して効果的なマーケティング施策の立案に役立ちます
トラッキングコードは、HubSpotの管理画面「設定」>「アカウント管理」>「トラッキングコード」から取得できます。このコードをWebサイトのHTML内、通常は</body>タグの直前に埋め込むことで、すべての訪問データがHubSpotに連携されます。
HubSpotのダッシュボード画面から、右上にある設定(歯車のマーク)をクリックします。
左端のメニューから「アカウント管理」にある「トラッキングコード」を選びます。
次の画面で表示されるトラッキングコード(埋め込みコード)をコピーして、WebサイトのHTML内に設置します。コードの設置は直接埋め込む方法のほか、Google Tag Managerを使って設定する方法もあり、開発リソースの少ない企業でもスムーズに導入が可能です。
HubSpotでは、特定の設定を行うことでWebサイト上のユーザー行動を自動的にトラッキングすることが可能です。自動トラッキングを有効にするには、トラッキングコードをWebサイトに設置したうえで、HubSpotの「設定」メニュー内にある「トラッキングコード」> 「高度なトラッキング」セクションから必要なオプションを有効化します。これにより、追加のサブドメインの指定や複数ドメイン間のリンク、トラフィックを除外したいIPアドレスなどが指定できます。
HubSpotではWebサイトへの流入経路やマーケティング施策の効果を可視化するために、トラッキングURLを作成する機能が用意されています。トラッキングURLとは、標準のWebページURLに「utm_source」「utm_medium」「utm_campaign」などの識別子を追加したリンクのことで、どのチャネルやキャンペーンから訪問があったのかを詳細に追跡できる仕組みです。トラッキングURLは、メール、広告、SNSなど複数の媒体で使い分けることで、各チャネルの貢献度を比較分析するのに役立ちます。HubSpotでは、設定画面の左のサイドバーメニューから[トラッキングとアナリティクス]>[トラッキングURL]に移動し、右上の[トラッキングURLを作成]をクリックします。 次の画面では、ページの有効なURLを入力し、適切なプロトコル(http://またはhttps://)を選択しURLを作成します。
Eメールトラッキングとは、送信したメールが開封されたか、本文内のリンクがクリックされたかを記録・可視化する機能です。HubSpotのSales Hubでは、Eメールの開封状況やリンクのクリック履歴をリアルタイムで追跡できる「Eメールトラッキング」機能が提供されています。これにより、顧客がどのコンテンツに関心を示しているかを把握し、営業やマーケティングの次のアクションに活かすことができます。たとえば開封直後にフォローアップを行うことで、関心が高まっているタイミングでのアプローチが可能となるのです。
Google Tag Managerとは、Webサイトに設置する各種タグ(トラッキングコードや広告タグなど)を一元管理できるGoogleの無料ツールです。タグの追加・削除・更新をTag Managerの管理画面から行えるため、開発者に依頼せずにマーケティング施策のスピードを高めることができます。
HubSpotのトラッキング機能をより効率的に活用するためには、Google Tag Managerとの連携が有効です。Google TagManager を利用すれば、HubSpotのトラッキングコードをWebサイト上に直接記述する必要がなくなり、管理画面から柔軟にタグの追加や更新が行えます。とくに複数のタグを管理する大規模サイトでは、コードの更新ミスを防ぎ、迅速な運用改善が可能になります。またHubSpotのトラッキングコードも、Google Tag Managerを通じて設置することができます。
HubSpotのトラッキング機能を活用すれば、Webサイトやメールでのユーザー行動を可視化し、マーケティング施策の効果測定や改善に役立てることができます。トラッキングコードやURL、Eメールトラッキングの設定により、精度の高いデータ分析が可能となり、パーソナライズ施策やコンバージョン率の向上につながります。また、無料で使えるGoogle Tag Managerとの連携も活用すれば、さらに効率的な顧客行動の分析が可能になることでしょう。
[T.O.1]マーケティングレポート権限が必要なようです。
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