この記事の概要
・インサイドセールスとは何かがわかる
・インサイドセールスとマーケティングの違いがわかる
・インサイドセールスの目的や役割がわかる
・HubSpotによるマーケティングとインサイドセールスの連携がわかる
インサイドセールスとは、従来の「訪問営業(フィールドセールス)」に対し、非対面で行う営業活動のことを指します。電話、メール、Web会議ツール、チャットなどを使い、訪問せずに見込み客と接点を持ち、商談化・案件化を目的に活動します。リモートワークが普及したことにより、近年では、インサイドセールスを導入する企業も増えてきました。
一方で、マーケティングは、見込み客を集めて育てる活動全般を指します。Web広告、SEO、SNS、ホワイトペーパーなどを通じてリードを獲得し、ナーチャリング(育成)を経て営業に引き渡す流れをいい、顧客のニーズを知るための市場調査やそれらに基づく商品開発、その商品の価値を伝達するためのプロモーション活動や広告宣伝活動などもマーケティングに含まれます。
マーケティングとインサイドセールスは、どちらも顧客獲得と売上拡大に欠かせないものですが、そのアプローチや担う役割には明確な違いがあります。
マーケティングは、広告、セミナー、プロモーション活動、市場調査などを通じて広く市場にアプローチし、自社の商品やサービスに関心を持つ見込み顧客を創出することを目的としています。加えて、市場動向や顧客ニーズを分析し、それに応じた商品開発や施策立案もマーケティングの重要な役割です。
一方、インサイドセールスは、マーケティング活動によって獲得したリード(見込み顧客)や、問い合わせのあった顧客に対して、電話やメールなどを用いて個別にアプローチします。顧客の興味や課題を深掘りしながら信頼関係を築き、購買意欲を高め、商談へとつなげていくのが主な役割です。そして、購入の可能性が高まった段階で、フィールドセールスに引き継ぐ「橋渡し」の機能も担っています。
マーケティングが「市場全体」に向けた活動であるのに対し、インサイドセールスは「個別の顧客」に焦点を当てて関係性を深めていく点が大きな違いです。
両者はそれぞれ異なるアプローチで業務を行っていますが、見込み顧客との接点を増やし、受注率の向上を実現するというゴールは同じであり、連携することでより効率的な営業活動が可能になります。
【ステップ1】
マーケティング:リード(見込み客)を集めて、興味を育てる
例)
【ステップ2】
インサイドセールス:商談化を見極める
マーケティングから引き継いだリードに対して、次に対応するのがインサイドセールスです。この段階では、まだ「契約してくれる顧客」ではなく、見込み客が本当に商談に進むべき相手かどうかを見極めるフェーズです。
【ステップ3】
フィールドセールス:提案・クロージング・契約
インサイドセールスから渡された見込み客に対して、営業担当がより詳細な提案や条件調整を行い、クロージングまでを担当します。
HubSpotのCRMには、マーケティングの接点履歴やインサイドセールスのヒアリング内容がすべて記録されているため、営業はスムーズに提案フェーズへと入ることができます。
マーケティング→インサイドセールス→営業という分業制にすることで、それぞれのフェーズで専門性を発揮しながら効率的に成果を出す体制が構築できます。HubSpotを活用することで、より正確かつスピーディに連携が行え、属人化を防げます。
ビジネス環境が急速に変化する中で、インサイドセールスの必要性はこれまで以上に高まっています。インサイドセールスが必要になった背景について解説します。
● 非対面営業が主流になったから
顧客の購買行動がオンラインへと変化し、「訪問して説明する営業」が難しくなってきました。企業は情報収集や比較検討の多くをWeb上で完結させる必要がでてきました。そこで、
電話・メール・オンライン会議などの非対面手段で商談を進められる体制(インサイドセールス)が重要視されるようになりました。
● マーケティング施策のROI最大化
Web広告やコンテンツマーケティング、セミナー開催など、マーケティング施策には費用と時間がかかるものの、必ず顧客を獲得できるわけではなく費用対効果が薄くなる可能性があります。インサイドセールスによる即時フォローで、リードがフォームに情報を入力したタイミングや、特定のページを閲覧した直後など、関心が高まっているタイミングでアプローチすることで、商談化率に大きく影響します。
HubSpotを使えば、顧客の行動をリアルタイムでキャッチし、効果的なインサイドセールスが可能になり、マーケティング施策のROI(費用対効果)が飛躍的に高まります。
● 労働人口の減少
日本は急速な少子高齢化によって、労働人口が年々減少しています。限られた営業人員で成果を出すためには、訪問前に顧客のニーズや商談可能性を見極めることが重要です。興味の低いリードに対してはメールや資料送付で対応し、温度感が高い相手にだけフィールドセールスをアサインすることで、営業リソースの最適配分が実現します。
● 長期的な顧客との関係構築が必要な時代になった
近年はサブスクリプション型ビジネスが拡大し、契約して終わりではなく、長期的な顧客との関係構築が収益の柱となります。そのためには、導入前から導入後に至るまで、一貫した情報提供と適切なサポート体制が必要です。インサイドセールスは、契約前に顧客の課題や期待値を深く理解し、スムーズに営業やカスタマーサクセスへと引き継ぐ役目があります。
HubSpotのCRMやMA機能は非常に相性が良く、組織全体での売上最大化に大きく貢献します。
インサイドセールスとマーケティングが連携して動くためには、情報の一元管理とリアルタイムな共有が欠かせません。HubSpotを活用することで、マーケティングが獲得・育成したリードを、インサイドセールスが効率的にアプローチし、営業チームへスムーズに引き渡す体制を構築できます。
①リードの獲得と育成を自動化
HubSpotのマーケティングオートメーション(MA)機能を活用することで、効率的にリードの獲得と育成を進めることができます。たとえば、Webサイトのフォームやランディングページ(LP)から資料請求やお問い合わせがあった際、その情報は自動的にHubSpot CRMに登録されます。登録されたリードには、あらかじめ設定したシナリオに基づいてメールマガジンやセミナーの案内などが自動配信され、定期的なコミュニケーションを通じて関係性を構築し、興味・関心を高めていく仕組みです。
さらに、HubSpotでは、各リードのページ閲覧履歴やリンクのクリック履歴といった行動データが蓄積され、自動的にリードスコアが付与されます。これにより、どのリードが購買意欲の高い状態にあるのかを可視化し、インサイドセールスがアプローチすべきタイミングを的確に判断することが可能になります。
② 見込み客へタイムリーにアプローチ
HubSpotのCRM上でリードの関心分野や行動履歴を確認した上で、電話やメール、チャットなどの手段を使い、非対面でヒアリングや課題の深掘りを進めていきます。
HubSpotの通話機能やメールテンプレート、スニペット(定型文)などを活用すれば、業務の効率化も図れます。通話内容やメールのやり取りはすべてコンタクト履歴に記録されるため、チーム全体で情報を共有しやすく、顧客ごとの対応履歴が一目で把握できます。こうした一連のプロセスの中で、商談化の可能性が高いと判断されたリードは、営業チーム(フィールドセールス)へスムーズに引き継ぐことができます。
③ フィールドセールス
インサイドセールスから引き渡されたリードを受け取り、最終的に契約へ導くのがフィールドセールスの役割です。HubSpotのパイプライン機能では、案件ごとの進捗状況を管理でき、どの案件がどのステージにあるのか、誰が担当しているのかをチーム全体で把握することでフォローアップの抜け漏れを防ぎます。
また、過去のやり取りや顧客の課題・ニーズがCRM上に蓄積されているため、担当営業は顧客の背景を理解したうえで、より的確な提案を行うことができます。成約後も、カスタマーサクセス部門との引き継ぎまで一貫して管理できるのもHubSpotの強みです。
HubSpotを導入することで、マーケティング→インサイドセールス→営業という一連のプロセスがスムーズに連携し、顧客との信頼関係を育てながら売上へとつなげる体制を構築できます。
「マーケティングだけ」「営業だけ」では限界がある今、HubSpotを活用して部門間の壁をなくし、売上に直結する“チームセールス”を実現していきましょう。
株式会社ハレフルでは HubSpot や Salesforce の導入・運用支援 を行っております。初期設定や操作方法などから、自社にマッチしたサポートをご提案しており、CRMの導入は初めてという企業様も安心してご依頼いただけます。スコアリングをはじめ、HubSpotが有する機能についての相談や設定にも応じています。「自社にあったCRMを選定してセールスやマーケティングを効率化したい」「HubSpotの運用を依頼できる企業を探している」など、HubSpot導入に関する具体的な相談や、プランの選び方についてお困りの方は、ぜひ お問い合わせ からご連絡ください。